🔞なぜ鳴いているのか

 

盆休み、セミが性の為に鳴く季節。ヒトとて例外ではない。

まあ彼らは1年中、性のため…いや様々なしがらみの中鳴いていたり泣いていたりする。

 

僕もまた発作のように訪れた性欲に従い、風俗の電話をしていた。

どっちかと言うと等身大の自分で話したかったので年下の多い店にし、サイトで確認した写真の人を指名しようとしたが時間の都合もあり、パネル(写真)情報の無い女性を指名する事になった。

 

電話越しのスタッフがかなり推していたので期待値はそれなりに高かったものの、自分のタイプとは違う可能性もあるのでフラットな昂りのまま抑えた。

 

家を出て指名の時間までしばらくあったのでお金を引き出した後はあてもなくふらふら歩いていた。

ちなみに100分のコースでホテル代込みで27000円程だ。女性の質は高いのでそう考えれば安い方だとは思う。

 

そうして時間通りにつき約15分ほど待つと指名した女の子がいた。

マスクをしていたが第一印象は「小さくて可愛い!」だった。

 

19歳だと言うその子(以下Nちゃん)はほんとに19歳?女子高生でも全然おかしくない見た目で黒髪清楚系、目はくりくりとしキラキラしていた。

 

お願いしますと軽い会釈をした後すぐに小さい手を繋いだ。いいね。

おしとやかなグイグイ系で簡単に言えばあざとさを持ち合わせていた。

 

お兄さん鼻が高くてカッコいいね、とか、このくらいの173〜175の身長の方が1番好きなんですとか平気で言えちゃうくらい。お世辞か本音かは置いといてそのフレーズを気兼ねなく発する事ができるのは凄いと思う。男心のくすぐり方を知っているな…。

 

ホテルの部屋に着くとめちゃくちゃ寒かった。なにせエアコンが22.0℃だった。さっっむ、おかしくね?

僕は文句をぶつぶつ言いながらエアコンを切り電車の強冷車が嫌いな話をした。TwitterもといXではよくつぶやく話題だ。

 

夏暑いよねーという話になっていって仕事(施工管理)の話をすると少し食いついたのが分かった。

 

現場の話をすると基礎工事なんだ〜とか足場は無いんだーとか少し単語を知っていて、なるほど…過去来たお客さんとかで知識を吸収して活かしてるんや…偉いな〜と思っていた。

 

まあでもあまりにキャッチボールが綺麗に続くのでしばらく建物の話や台風待機のぼやきや女性監督の労働環境など結構ディープな話をしていた。

年上の事務員さんの話を始め出そうとした時にNちゃんから実は私本業は建設業の事務員なんだよね…と割と衝撃的な告白をされた。ほー、そうきたか。そりゃ、話通じるわな。

 

そう、本業に顔さすと問題だから写真を伏せていたのだ。平日は事務仕事で土日しか参加出来ないので頻度が少ないらしい。今までの20歳前後の人は大抵大学生だったので少し驚いた。

 

事をする前にエチケットとしてうがいをするわけだがそこで初めてNちゃんはマスクを取った。え、めっちゃかわいい。マスク取った方が可愛い。笑顔が素敵過ぎる。

 

場があったまった所でまずはシャワーを浴びる。

お互い裸になって体を確かめ合うように見つめながら顔より下の身体を洗ってもらう。僕の陰部はもう準備万端だった。

Nちゃんの身体はBカップの乳輪乳首大きめ色素濃いめの陰毛もVIOしっかり生えている、顔は幼なげ、身体は色気たっぷりのギャップが完全に僕のタイプだった。

 

シャワーから出た後はエアコンを切った筈なのに裸になったからかめちゃくちゃ寒かった。数行前の場があったまった発言は訂正させて下さい。さぶいぼ出るくらい冷え切ってました。(物理)

27℃暖房をONにしたらなぜか笑われた。 

 

さて、「戯」を始めようか…

耳舐められたのは気持ち良かった。

結構容赦なく吸い込む掃除機みたいにベロベロされて開発の芽吹きを感じた。

今回はすこぶるキス多めで、普段はあんまり多くしないのだが、お互いの身体の距離を確かめ合いながら抱きつき交わり合うのが快感だった。

そうしてゆっくり1回目を堪能した…。

 

僕は裸で喋り合うのが好きと近しい人には散々言ってるようにトークこそが快楽の本番なのである。

 

色々話していると陸上を元々やっていたり、僕の珍しい手相の線(ネットにも出てないレベル)の線がNちゃんにあったり共通項が多く、会話が相当弾んでいた。

 

また「僕の陰毛アカデミア」も例の如く開催し、陰毛は残してくれという声明を発表した。

やはりパイパン派閥に剃って欲しいと言われるハラスメントもあるらしい。でも陰毛派閥の性癖の理解があるためあえて残しているらしい。まじでありがたい限りやで。

 

やはり喫茶店でコーヒーをすすりながらじゃ出来ない話なのだ。

お互い裸だから出会ってすぐに過去の恋愛の話とか好きなタイプとかも聞かれるし話せたりするんだろう。

 

ふつうどこ出身ですかー?とか仕事なにされてるんですかーとか当たり障りの無いとこから入るのは心が壁に覆われてるからだろう。裸になればその壁は一気に取っ払われたも同然なのだ。

 

そんなこんなで白い花火玉が装填されたので2回戦に入る。

なぜか僕の胸をずっと触っていてこんな筋肉ある胸触ったの初めてだからいっぱい揉んどこ!と揉まれていた。

いや、逆なんよね??

今度は僕がせめる。で君はまもる。もものようなおっぱいにしゃぶりつき、わしわしとした陰部にしゃぶりついた。

視界が陰毛の黒に覆われる時が1番幸せかもしれない。そう、帳を下ろした時みたいに(???)

僕の無下限術式、理性の「蒼」と本能の「赫」のぶつかり合い、虚式「茈」が陰部から発射されていた。すみません…いい加減術式でした。

 

2回目も終わり、気づけばもういい時間になっていた。

思えば喘ぐ声、仕草、身体…戯れるうちに当初女子高生?と思えたその彼女がものすごい同い年にすら感じるほど大人に見えた。

なにせ言動も落ち着いてるししっかりしていたし何せ魅了する色気があった。

その事はしっかり本人に伝えた。あんまり言われたことなかったなー、ありがとうと嬉しそうにしていた。

また「可愛いよ」って何回も言った気がする。本心だから。

僕はよくも悪くも正直でつまらない人間だ。自分を客観的に見つめながら天を仰いだ時にまたキスをされて、なんか始めたてのフレッシュな恋が一瞬フラッシュバックして少し泣きそうだった。

 

…僕たちが鳴くのは、子孫繁栄させるためとか、性欲といった本能は当然あるのだけど、「確かさ」を欲しているからじゃないかと僕は思っている。

 

触れ合う肌と肌、抱きつく力強さ、感じられるぬくもり、交わり合うカラダ…それは全て偽りの無いものだ。それらは裸同士だからこそ効力が発揮するものだと思う。

着飾るものを捨て、ありのままを話すという意味で「サシで風呂」の重要性が出てくるのだろう。

 

屈託の無い笑顔、気持ちの良い言葉、たしかに嬉しいがそこには裏…本音ではないかもしれないという不確定要素がある。

セミは行為が出来るまでは一生鳴くのをやめないだろう。それと同じだ。

不安定であればあるほど、安定を欲しがるのが人間…いや生物のシステムだ。行為を求めるのは本能よりももっと奥の「確かさ」を得たいからなのだ。

 

その「確かさ」というか、安定の基盤というものは人それぞれに違って、筋トレかもしれないし、推し活かもしれないし、芸術などの趣味かもしれないし、SEXもまたその安定を満たす手段のうちの1つに過ぎないという事だ。

 

そういう面でSEXの確かさと恋愛というものは切り分けた方がいいとも思う。恋愛は完全に不安定そのものだからだ。

 

この人の「好き」を信用してもいいものか…自分が思ってる時、相手も同じ事を思ってるかもしれない。

漠然とした不安に勝手に煽られて生きる「恋愛」を少し面倒に思うのはそんな余計なエネルギーを無駄に割いてしまうからだろう。

終わりのシャワーを浴び、Nちゃんと話してる間そんな事を考えていた。

 

…にしても、Nちゃんには思った以上に喋ってしまった。まあどう思われようと関係ないよな…と浴場を出て身体を拭いている時に

 

楽しかった!また会いたいね!良かったらLINE交換しませんか??って言われた。

実はLINEに誘われるのは2回目なんだが、1回目はたまたま熱狂的なB'zファンでというLINE確定演出みたいなもんだったので、今回みたいな100%じゃない演出で誘ってくれたのは嬉しかった。

 

本心がどうなのか、他の人にも同じ手法をやっているんだろうか?そんなのはどうだっていい。

 

「確かさ」は心の安寧に必要なものだとすれば、やはり興奮とか幸せといったものは、「不確かさ」故に出てくるんだろうと確信した。

 

思えば人生の大半は不確定要素の連続だ。人生はギャンブルだという人の気持ちも分かる。

だから楽しいし、だから不安になって安心を欲しがるし、だから今かすかに喜びが生まれているのだろう。

 

僕の事を特別に好きなのかって言われるとそれはNOだろうけど、好印象だったかと言われたらそれはYESなんだろうなという不確かな事実が確かめられた事が結果として僕の安寧に繋がった。

 

思えばその店に電話をした事。Nちゃんを指名した事。楽しめたこと。奇跡の連続なのだ。また会いたくなってしまった。

 

ホテルを出た後は虚ろになる事が多いが今回は心が満たされていた。

偽りの愛だろうが無機質な金であろうが幸せは買えるものだなと気付かされた。「確かさ」と「不確かさ」を楽しめる心があるならば。

 

最後、お互いグー👊をし明日からまた頑張る事を決意した。

実は僕が戯をしている間に現場待機が確定していたのだった。Nちゃんは待機してしんどくなったらLINEしてくださいねと返事をくれた。

 

「生きる」ってそういう微かな喜びを数珠みたいに繋げて死ぬよりもマシな選択を取っていく事なんだろうなって…

満たされたやましい賢者はやかましい街を縫うように帰って行くのだった。