2026年10月の暮れ。Xのタイムラインは今日も今日とて炎上が絶えない。Mrs.Green Appleは特に話題に事欠かない。

今回炎上したのは新曲のMV「シンデレラ」に出てくる女性が夜職(キャバ嬢)を演じていたという事が主に挙げられる。そこから派生し歌詞の浅さなども飛び火した。
今回問題に挙げるのは本当に炎上して叩かれるレベルなのかどうかである。僕は特別ミセスファンではない…というか感覚が合わないのであんまり好きでは無いんだが今回の炎上はちょっと違和感があったのでその違和感をこれから話していこうと思う。
それでは…ざっくりではありますが
・シンデレラの歌詞解釈、主人公は悪役?
・そもそも歌詞の意味いらなくね?
・まじ売れてるから叩かれてるだけ
・夜職論(脱線)
・子供に見せられるし別によくね?
の豪華5本立てでお送りします。
何も観ずにネットの感想だけで語るとそれこそ炎上するので当然ですがMVをちゃんと観ましたよ。歌詞もちゃんと解釈してるので。曲?すんません、本当に素人なんで省きます。
まずMV以外の部分はさすがミセスクオリティ。曲も素晴らしいしコンセプトも面白い。タイトルのシンデレラといういわゆるドレスを纏い王子様と踊る輝かしいイメージの曲かなと思いきや、実際にはそれとは程遠いツラい現実の暮らしという対比になっている。
歌詞に関してはツラい現実に対する、現状の問題はどうであれ一旦の自己肯定を経て今の自分を認めたらまあなんとかなるよねー。といった内容だ。
子どもの頃あこがれだったシンデレラ。しかし今の自分は何も手に入れられていないのである。
なぜ昔の主人公がシンデレラに肩入れしたのは「完璧」ではないからだ。父親が亡くなり、意地悪な継母と義姉に召使いの如く虐げられた日々。そこからも負けずに前向きな姿勢で頑張ってきたからこそ「チャンス」を掴み取ったのである。
レディを採点するなんてはしたないがフィクションなので許して欲しい…と前置きしたところで
シンデレラ
裕福度△→家自体は裕福だがシンデレラ自体は享受できていない
環境✖️→召使い扱いで自由な意思の尊重が奪われている
性格◯→人のせいにしない、前向き
容姿◯→王子様も認める美しさ
に対して
主人公
裕福度◯寄りの△→歌詞では言及されていないがMVでは貧しかった描写は無かった。一般家庭と仮定していいだろう
環境△寄りの◯→MVを見る限り愛情をもって育てられていたように思える
性格✖️寄りの△→歌詞で分かることで推察
嘘つき、欲張り、妬みがち
容姿◯→MVでは美人だと思った
そう、このチャートで分かるように境遇がまるでシンデレラとリンクしていない。むしろ性格を見ればシンデレラの義姉、悪役なのだ。
義姉はきっとシンデレラの潜在性に気付いていたのだろう。自分が恩恵を受けるためにはシンデレラという若い芽を摘む必要があったのだ。
それは主人公も同じなのである。歌詞の中で言及している妬んでいる相手こそ、おそらくなりたかったとされるこの現実世界のシンデレラなのだろう。
そのシンデレラを痛ぶることで自分を正当化するしかないのだ。なぜならシンデレラは「いつも愛されるあの子」ではなく、私なのだから。そうでも思わないと現実を乗り切られないメンタリティなのだろう。繊細な人ほど攻撃的なのは傷付くのが耐えられない自己防衛本能である。
分かるだろう、これはまるで白雪姫を疎ましがる魔女そのものだって事。
ここでいつも愛されるあの子のチャートも見てみよう。
いつも愛されるあの子
裕福度◯→裕福と歌詞に記載(主人公目線の話ではあるが)
環境◯→きっと良かったんだろう
性格◯→純粋と歌詞に記載(シンデレラと重なる)
容姿◯→容姿が良くなかったら主人公はきっと憧れない
つまり、現実のシンデレラはもう生まれた時点で決められているのだ。主人公もそれは分かっている。「いいな、敵うはずないもの」そして「いいの、叶うはずないもの」残酷にも。現実の方がよっぽど無情で救いが無いのである。
頑張ったところで埋められない差、理想が高ければ高いほどその乖離に傷付く。だから嫌でも今の自分を認めざるを得ない。MVでは過去の自分と一緒に踊るという描写で着地していたが、言ってしまえばその場しのぎの現実逃避でしかないのである。
という救いのないエグ味を書いており分かりやすくて良い歌詞だと感じた。おぉっと、真面目に歌詞解釈してしまった。
しかし、この歌詞に救いがないだとか、キャバ嬢や貧困層を馬鹿にしている。解像度が低い。歌詞の内容が浅い。と炎上している。とんだお門違いである。
救いなんてねぇよ!そもそも救おうとして曲なんざ作ってねぇよ!
解像度が低い?MVでは確かにキャバ嬢だったけど別に歌詞とリンクしてる訳じゃねぇし貧困層の事なんて一言も言ってないだろ?
歌詞の内容が浅い?それはこの歌詞の主人公の解決方法や性格が良くないってだけだろ?
なのだ。
まして、曲なんてメロディーありきだと思っている。揺さぶられるのは歌詞よりもむしろ歌の表現なのである。歌詞大好き中毒者の私が言うのだから間違いない。
簡単な話、ウルトラソウル(Hi)とここに書いただけでは誰の心にも響かない。だけど、メロディーが付いて、♪ ウ・ル・ト・ラ・ソウッ…!!!と誰かが歌えば条件反射的にヘイッ!!と口ずさんでしまう。そういうもんなのだ。それが人を動かす歌のチカラなのだ。
僕はミセスにはそのチカラがとても強いと思っている。だからこれだけ多くのファンがついている。歌詞なんて極論どうだっていい。むしろメロディーを阻害させない語感を入れていく方が大事かもしれない。あくまで人を動かすだけなら。
なのに歌詞だけ切り取って浅いだとか文句を言うのは違うと思っている。
だが1つだけ伝えておこう。あくまで僕は歌詞が好きな人間なので、今回のような「現状の自己肯定曲」は嫌いである。とりわけ最近の若いアイドルが歌う曲にはこの傾向が大きいのは聴く若年層がそういったタイプの人たちだからだ。ミセスが今の世代に刺さっている理由もそこにある。ニーズを捉えているように思う。
ダメなわたしだけど許してね、とか可愛い自分を好きになりましょうとか。アイドルの曲を極端に言えばそんな感じ。ミセスはちょっと違うかもしれないが。
自分を認めてくれない、悩みが尽きない状態に対してしょうがない。でも一旦受け入れたら気持ちも楽になれるよという救済である。ある意味仏教かもしれない。しかしそれが本当の意味での解決なのかという話だ。この場合、大森さんは自分が仏になろうとしているのだろう。心なしか仏に容姿も仏に近付いているような気もしないこともない…。
まあ別に否定はしないが、結局歌詞は好き嫌いの話である。僕は現状が良くない場合は、周りは変えられないんだし、だったら自分が動いて変わろうぜという自責思考の現状打破曲が好きである。「B'z」って調べれば出てくると思いますが。稲葉浩志(B'zのボーカル兼作詞担当)さんは浩志ならぬ論語で有名な孔子になろうとしてるのかもしれない。(君子求諸己、小人求諸人。←意味調べてみてね!)
そういえば、このミセス炎上のいざこざのせい(おかげ)で
ミセス炎上→ミセスの歌詞浅い飛び火→ミセス人気だからしゃーない→B'zも昔人気になった時叩かれてた→ミセスとB'z似てるね(一件落着?)
→いや、B'zとミセス全然ちげーわ、ミセスなんかと一緒にすんな→稲葉浩志(B'z)の歌詞は大森元貴(ミセス)と価値観真逆だから→稲葉、究極の自責思考、ストイックすげえや という謎にB'zの株が上がる現象が起きた。
おそらくだが同時期に稲葉さんが年末にフェス参戦!?の情報が上がり、稲葉さん見たいけど何を聴けばいい?→ウルトラソウルやってくれるの?→それはB'zの曲だからソロでやるわけねえだろ→それはそうと◯◯おすすめです、歌詞が良い(投下)という別軸の流れもあり歌詞の点と点が繋がったんだろう。稲葉歌詞大好き人間にとって稲葉さんの歌詞が評価されたTLに溢れた状態を見てにんまりが止まらなかった。しまった、今はミセスの話だ。
ミセスは影響力が大きくなってあんまり好きじゃない層も耳に入ったりするようになっただけだ。アンチが多いのは人気になった証だと言うが、まさしく今回の炎上こそシンプルに売れてる証拠にしかならないというオチである。
結局は誰かが幸せになると誰かが不幸せになる世界である。
急になんなんだと思ったかもしれないが、これこそアンチがいなくならない理由であり戦争が無くならない理由である。
青春時代を楽しく謳歌出来なかった人は青春でキラキラしている人達を僻むように、自分がなれなかったものに対する嫉妬だったり、自分と価値観の合わないものは間違いだと決め付けてしまう思慮の浅さだったり、自分1人では自信が無いから徒党を組んで正しさという武器で容赦のない誹謗中傷を行ったり…人間そのものが欠陥なのでしょうがないのである。
結局今回は売れている僻みなのだ。たとえキャバ嬢じゃなくて思いつきやすい「レジアルバイト」を採用したとしても「そんなにツラくない」「重みがなくてなんか嘘臭い」と別の角度で叩かれるのが容易に想像できる。怒りたい人は怒りたいポイントを探して怒っている。
そして全ての人に受け入れられるユニバーサルデザインなものは丸みを帯びて面白みの無いものになる。
とりわけこのJ-POP音楽では「特徴あるもの」がバズる。当たり前だ。それが興味の根幹だからだ。特徴を出せばそれに対する好き嫌いも出てくるし人気になるためならそんな小さな嫌いの層なんて考えるだけ無駄だ。だからこそ今回の炎上はただのボヤ騒ぎ程度の事だと思う。イヤなら聴かなきゃいいだろで済む事案である。
さて、ここからじゃあキャバ嬢のMVについての個人的な感想を述べていこう。
まずはシンデレラといえば綺麗なドレスで王子様と踊るシーンを思い浮かぶ。
その対比として自分は綺麗にドレスを着飾っているのに心が追いついていないという描写としてキャバ嬢を選んだのならもの凄く分かりやすいと思った。
簡単な話、普段からドレスを着る職業なんて夜職ぐらいじゃないか。ちょっとでも近づこうとしているのが諦めきれなさとか惨めさも相まってると思う。これがオフィスで社会人のスーツ姿だったら昔と切り分け過ぎていてシンデレラというには程遠くて歌詞と合わない。
あと主人公は現状に満足していないのは、夜職という選択肢を選んだ事も一つあると思う。比較しちゃう人間は決まって周りの目を気にするからだ。そう、周りの目ね。これを言っちゃうと夜職全体を見下した発言に聞こえかねないな…
ーーーー(脱線の音)
いや、この際だからはっきり言っておく。夜職が見下されているという偏見は絶対に無くならないからな!それは個々人が良い人だとか悪い人とかは一切関係ない。一度選択を受け入れてしまえばその偏見に対する責任は負わなければならない。
なぜなら労働以上の対価が支払われているからだ。それは見た目を着飾った接待である。支払う側もいわばそれが目的な訳だし、誰でも出来る訳じゃない若い女性だからこそ資本として成り立つ。この国のこの時代では合法とされているが、とりわけ客層に品が無い。仕方がない。
「欲」自体が品が無いと扱われる訳だから、こんな金さえ払えば酒を飲んだテンションで女とイチャイチャできる欲望の塊みたいなシステムに品なんぞある訳ない。そういった欲がストレートにそして身体が絡んでくると生理的な拒否反応というか嫌悪が出てしまうのは無理もない。
つまり、品の無い輪廻に加担してしまったなら見下されたとしても文句は言えないと思う。だったら客であるおじさんもその加担者じゃないの?と反論するだろう。だがおじさんは夜の仕事で稼いでいる訳ではない。一方女性はそれによって稼いでいる。そこが大きな差だ。まあキャバクラでの自慢話を聞かされるとかだったら品は無いし見下しても良いと思う。
決して女性を馬鹿にしている訳じゃない。一応だから言っておくが決して夜職で稼ぐのは楽では無い。ただ労力に対しての稼げる量は多いのは確かである。夜職に飛び込む理由はどうであれ始めるきっかけは稼げるからだ。お金をもし稼げないならみんなわざわざやらない。若い女性に大金をはたいてでもチヤホヤされたい馬鹿な男性がいるからこそこの商売が成り立っているんだぞということを肝には銘じた方が良い。もちろん男女逆でも成り立つ。
ーーーー(脱線終わり)
話が長くて申し訳ない。そしてここが案外重要だと思うので聞いて欲しい。そもそもなぜ僕は炎上がおかしいと主張しているかである。
別にキャバ嬢自体はキラキラしていて品があるように「見える」という事だ。何が言いたいか?
別に子供が見てもこのMVは何一つ悪影響にはならない!(そもそも子供が深い考察をしてMVなんて見ねーよ)もし悪影響だと言うならこのシンデレラ以前に悪影響になるものを既に視聴しているのが原因だ。
キャバ嬢なんて題材を子供が見たらどうすんのよ!と騒いでいるのは大人だけである。
たとえば濃厚なキスシーンがあるとか谷間を見せつけてるシーンとかあるのなら言い分も分かる。
だがエッチなシーンなんてないし肌の露出もかなり少なくてだいぶ配慮されている。子供はあのドレス姿の人達をキャバ嬢だと思って見ていないよ。中高生ならね、もうちょい分別あるしこんなMVじゃ感化されたりもしないし問題ない。
僕が仮に無知な子供だったとしてこのMVを見たとしよう。キラキラしている人たちも大変なんだね。…以上だ。
この幼いながら感じたこの「キラキラ」をもう大人が抱えることは難しいけど、それでもあの頃夢見ていたキラキラに思いを馳せてツラい自分を鼓舞させたっていいだろ?それの何がいけないんだ。大人は夢を見るなってか?そうやってずっと冷笑していればいい。一度でもYouTubeを視聴してそしてコメント欄を見れば分かる。炎上なんて一切していない。
それが音楽のチカラだ!映像のチカラだ!そしてミセスのチカラだ!
だからね、誰が投稿したかも分からんバズったSNSを鵜呑みにするのやめな?他者を疑え、自分を疑え、まっさらにして感じたものを信じろ!
すいません、最後説教臭くなってしまいました。
Mrs.Green Appleはアーティスト×アイドルという未知の領域に進んでいて素晴らしいと思います。これからも叩かれまくると思いますが応援しております。
以上です。ご精読ありがとうございました。




































































































































