姫路現場物語 〜長岡京編①〜

1.さよなら杭だらけの日々よ

なんでこんな矛盾めいたタイトルなのかと言えば、

事もあろうかわざわざ兵庫に引越しした1週間後に姫路だった現場から長岡京にある現場に応援に行けと急遽会社から言われたからだった。

 

せっかく心機一転、新しい現場で頑張ろうとした矢先だ。心機がドテッとなった気分だ。

 

嫌な理由は沢山あった。

1つは当たり前だが引越しする前の大阪の家のが断然近いという事だ。これなら引越しを遅らせても全然良かったのだ。

 

2つはその発表が急だった事だ。言われた日が木曜日の昼で、異動が火曜日だ。

しかも、月曜日がよりによって1人しかいないので、実質木曜と金曜日で全ての仕事の引継ぎと荷支度をしなければならなかった。

 

3つは「終わりの期間」を知らされていない事だ。

それは会社からもあやふやな回答しか貰えず、当の長岡京の現場では応援に誰かが火曜日にやってくる事しか聞かされてなかったらしい。

1ヶ月とかだったら軽い荷物の方がいいし、とか段取りも組めないのでただただ困った。

 

もし、ずっと長岡京だったらそれこそほんとに引越しした意味が皆無となる。そう、4つ目は家から現場が遠過ぎるという点だ。

 

しかも駅からバスも無い徒歩25分、朝礼が7:45分家に5時に出ないと遅刻とかいう意味が分かんないスケジュールだった。

それに関してはとある方法で解決したのだが…それはまた後で話すとしよう。

 

という訳で僕は京都に行く事になった。

 

現場は僕抜きで3人おり、そのうちの三席にあたる先輩がどうやら内勤になり、現場を回せなくなるという事でピンチヒッターとして僕が選ばれたらしい。

 

いや、もっとこの危機的状況を早く認識していただろ…当初は不満がかなり大きかった。

 

現場は杭工事をしていた。杭って20mあんねん。

詳しい内容は教えられないが、要するに建物の大事な序盤戦だ。

1日で仕事内容のいろはを覚え、1日で1人で実践し、1日で新しく来た派遣さんに教えるという、回転の早いムーブメントにはびっくりしたが、そう言えば僕はもう4年目に差しかかっていたのだった。言い訳などしてりゃもはや負けなのだ。

 

よくよく考えればいくつもそんなバタバタを3年間乗り越えてきたんだ…真面目に覚えていけば1週間もすれば色々と落ち着いてきた。

 

確かにコンスタントに仕事量は多いが、周りは良い人達だし、上司と派遣さんは顔見知りだった事もありかなり気楽に仕事が出来た。事務員さんは色気凄いし、よく話しかけてくれる。同期の話、高校の話や趣味の話やB'zの話とかめちゃくちゃ喋った気がする。

現場全体の雰囲気も良いし相談しやすかった。まだ1ヶ月も一緒に居ないのに、今度現場でゴルフも行くぐらいだ。うん…みなさん上手いから困るんよね…。でもきっと楽しいだろう。

 

最初は境遇にイライラしていたが、徐々にこの流れすら必然に思えてきた。

僕は杭工事をメインで行った事が無かった。そして姫路ではいきなりメインでやらなければならない。その肩慣らしとしては丁度良かったのだ。(しかもしっかり問題も起きてトラブル耐性もついてラッキーだね!)

 

と、落ち着いてきた頃に応援は1ヶ月半までで姫路に戻る事を直々に部長から告げられた。

1ヶ月半という事は、長岡京の杭工事の終わりであり、姫路の杭工事の始まりでもある。

まだまだ杭が残るわけではあるが、この長岡京の応援は悔いなく終われそうである。

 

2.ルイとの愛の棲み家(実話)

長岡京応援…!?さすがに実家から2時間以上かけて通うのは馬鹿らしいので、最初はおばあちゃんの家から通おうと思った。

いやぁ、でもおばあちゃんは遅寝遅起きの学生みたいな生き方をしてる人間なので、現場のクソ早起きスタイルとサイクルが違うのでおばあちゃんの事を考えると良く無いなと断念した。

 

他に…うん、いや、ルイがいるじゃないか!

ルイとは僕の親しき友である。しかし、さすがに1ヶ月住まわせてくれというのは全然断っても良い案件である。

 

ただ、ルイは2つ返事でOKをいただいた…どころか、嫌そうというよりむしろ歓迎さえしてくれたのだ。

 

いや、なんという懐の深さだ…

母親も「いい友達を持ったね」と言っていたが、本当にそうだ。長岡京現場の時も思ったが本当に人間関係に恵まれている。

 

彼の家に住む事になったので、一気に現場がハードモードからイージーモードになった。

何より「近い」というのは残業をする上では武器となる。実家から通うのとルイの家から通うのでは往復3時間違うのだ。

その3時間で仕事できるし、ルイと話せるし、いっぱい寝れる。最高じゃないか!!

 

今なんやかんや3週間以上一緒にいるが、少なくとも僕は全く不満がない。あったとすれば家にドライヤーとハンドソープが無かった事くらいだ。まあ持ってくりゃいいだけの話である。

 

むしろ僕のが遠慮なく好き勝手に服を散らかし、風呂場では歌を歌ったり、独り言を喚いては朝はルイより早くバタバタさせてるので不満を持たれてるかもしれない。

反省はしていない。していたらそんな事ハナからしてない。ただ直すべき所があれば直しますので…。直るかは分かりませんが…。

 

お互い遠慮なく裸を見せ合える(実話)、合鍵と言う名の愛❤️鍵までもらい(実話)、同棲して(実話)プライベートも2人きりで遊んで映画も行ったよね。(実話)

 

これはもう、割と長めに付き合ってる彼氏(実は…)なんですよね。今までみんなには言ってなくてごめんね🙏

 

…んまあ、そんな暮らしも応援期間が終わればおさらばである。実にあっという間であった。ホスト側にとっては長かったのかもしれないが。

個人的には人生の断片にこのルイとの暮らしが入り込んだのは幸せだ。

 

彼もそう思ってくれるだろうか…。

主に想いが重過ぎて重荷になっちゃうかな…引かれてしまうのか…それとも惹かれてくれるのか、そんな雑な独り言にも付き合ってどつきあってくれたよね。その痛み、今でも忘れません❤️

 

Chu!💋韻踏過ぎてゴメン!お詫び致す、斬り捨て御免!!グジャア…あああ〜膵臓の音ォ〜🎵

 

嘘だと思いますが、僕はこんな感じの独り言を時折呟いておるのですが、それを彼は許容してくれるんですよ。そんな人なかなかいないと思いますよ。

僕よりきっといい彼女が出来ると思うんでもらってくださいな。

 

 

ところで、ゴールデンウィークってなんか緑色のイメージがあるの僕だけですかね?5月だから新緑感🟢っていうか…満月🌕を彷彿とさせる9月のシルバーウィークのがよっぽどゴールデンだと思うんですが。休みが少ないだとか敬老の髪の色だとかは知りませんが、シルバーは雪の降る銀世界にぴったりな正月に付けるべきでしょう!

あと、黄金比の1:1.618…白銀比の1:1.414…僕は白銀比の方が好きですね。金って所詮そんなもんです。誰が金>銀って決めたんでしょうね。

 

すいません、余談が過ぎました。つまり、いぶし銀のルイが1番好きですね!

 

以上!