唐突ですがONE PIECEは好きですか?
僕は好きですね。普通の人よりかは知識もあるし全巻揃えるほどですからそれなりに愛もあるかと思います。
ですがONE PIECE映画に関しては毎回観るというほどのオタクではありません。
ONE PIECEだから観る!じゃなくて、普通の映画と同様、予告とかで宣伝される内容がそそられたら見ようかなってなり赴くことになります。
現に前のONE PIECE映画であるSTAMPEDE(スタンピード)と前々のGOLD(ゴールド)は映画では観てません。かといって3つ前のZ(ゼット)は即決で観ることを決め期待値以上の満足感がありました。
観るか観ないかの判断は完全なる僕のひねくれた主観があるのですが、実のところ今回のREDは観るか観ないか迷っていました。それが今や3回目を観る事になっているわけですから…、
という事で迷っていた経緯とリピートするまでに魅力的な点を過去作を比較しながら語っていこうかなと思います。
※尚、過去作とはいわゆる作者監修である"FILM"作品であり、ストロングワールド、ゼット、ゴールド、スタンピードの4作品を指す事にします。
迷ってた点① ウタはボスキャラなの?
今までの映画というのには明確な共通点がありました。
まずはボスキャラ、それは最終的に主人公に倒される映画の裏の主人公です。これが予告の際にどういったキャラなのか明らかにされるわけです。
そして過去作のボスキャラはいずれもおじさんなのです。
ストロングワールドではシキ
海賊王であったロジャー(俺の財宝か?欲しけりゃくれてやる…!!の人)とかつて渡り合ったとされる大海賊、78歳イケイケおじいちゃん
ゼットではゼファー
かつての海軍大将、74歳激渋おじいちゃん
ゴールドではテゾーロ
金(きん)を生み出せる能力者であるカジノの王国の王でありオーナー、41歳パリピおじさん
スタンピードではバレット
大監獄から脱走した元ロジャー海賊団の船員、45歳コワモテおじさん
そして今作、レッドではウタ
ルフィ(本作主人公)いわく、シャンクス(主人公に麦わら帽子あげた人)の娘、可愛らしい21歳
こう見た時に女の子で若いしで明らかに今までの法則から外れてるのが分かります。
流れで言えばウタが果たしてボスキャラになるのか、あるいはウタの裏に黒幕のおじさんがいてソイツがボスキャラなのかという事です。はたまたシャンクスが黒幕なのか…。
黒幕のおじさんがいたとしてそのキャラに何の魅力も無かったら最悪ですね。
いわばONE PIECEの映画はそのボスキャラがどれほど魅力的かどうかで良し悪しが決まると言っても過言ではありません。それは後で説明します。
もう一つの大きな共通点があります。
それはボスキャラをそのまま放っておいたら世界を滅ぼしかねない脅威の存在である事。そして、そのボスキャラは最終的に主人公ルフィによって倒されるということです。
果たしてレッドは今までのセオリー通りのストーリーになるのか裏切ってくるのか…予告だけじゃ分からないのも魅力的でありつつ不安も同時に掻き立てられしまうわけです。
迷ってた点②シャンクスという期待値
(上の赤い髪の人がシャンクス、麦わら帽子をかぶっている人がルフィ)
シャンクスというキャラはONE PIECEの中でも屈指の人気キャラです。
まあ主人公の師匠的なキャラはどの漫画でも人気ですよね。
でも実はシャンクスは未だに謎多き人物でもあります。
現時点で分かっている事は、
元ロジャー海賊団の見習い船員であったこと。ロジャーの死後は自分が船長である赤髪海賊団を率いる。
ルフィの故郷である島に一度訪れており、ルフィがまだ幼少期の頃、自身が被っていた麦わら帽子を託す。
海賊嫌いだったルフィはシャンクスと出会い、心から尊敬し海賊を目指すようになった。
その性格は基本的に大らかであり、他海賊や海軍からも信用を得るほどの一線を画す人物でもある。が、自分の友人を傷付けたり大きな目的を邪魔する者に対しては容赦のない一面もある。
現在では海賊の一大勢力である「四皇」の1人である大海賊団であり、戦闘描写はほとんどない。
(まあ後は細かいことなので省きます。)
というようにそこまで語られておらず、言ってしまえばルフィにとって味方なのか敵なのかさえも定まっていないようなキャラなのです。
そのシャンクスに娘がいた!?という事自体がいわば衝撃過ぎる新情報で、しかもそれをルフィが知っており幼なじみであることも語られます。
…という事はシャンクスについて色々深掘りされるという可能性が十分に考えられるわけです。
…ウタは本当にシャンクスの娘なのか?過去のルフィとウタの関係は?もしかしてシャンクスこそが黒幕!?ウタは敵なの?味方なの??
と、考えれば考えるほど膨らむ妄想が更なるこの映画の期待を高めていきます。
しかし、ハードルが高い分、裏を返せば実はシャンクスの娘というのはウタのでっち上げだったり、シャンクスがちょっとしか出なかったりすればそこそこ良い出来であっても裏切られたと感じるでしょう。
迷ってた点③ ウタ(ボスキャラ)の思想
これに関しては、いやこれに関してこそひねくれた個人的意見にはなるかと思います。
そもそもボスキャラに魅力が無いと見ようとは思わないですね。現に今まで映画館で観たのはゼットだけです。
まずは思想そのものというよりなぜその思想に至ったのかまでの経緯に魅力があるかです。またその思想がどれだけストーリーと密接に関わってくるか、なんですよね。
たまたま居合わせたルフィが浅い動機でそのボスキャラを倒す流れだと、別にルフィじゃなくてもいいんですよね。それだと映画観ないですね。
よくボスキャラの過去の話が同情を誘ったりするとか言われるけど過去なんてどうでもいいんです。
過去が悲惨だからって犯罪犯していいかってなるとそうじゃないのと一緒です。
まあ、それぞれどういうストーリーか簡単に説明します。
・ストロングワールド シキの場合…20年かけての世界転覆計画を謀る
その計画においてたまたま不足していた腕利きの航海士を麦わらの一味であるナミから見出し無理やり連れ去る。そして麦わらの一味はナミを救うためにルフィがシキを倒す。
→シキの目的のためなら部下ですら容赦のない海賊らしい思想は魅力的で好きなんですが、部下にいかんせん魅力が無い。
面白いんですけど結局ナミを取り返しただけの話なんですよね。
・ゴールド テゾーロの場合…テゾーロが王である独立国家「グラン・テゾーロ」にて麦わらの一味はギャンブルでイカサマにより負けてしまう。
麦わらの一味のゾロが捕まり処刑宣告を受ける。ゾロを救い出すためルフィがテゾーロを倒す。
→そもそもテゾーロと麦わらの一味のお互いが大して思い入れがない関係なんですよ。
ルフィがテゾーロを倒す理由がただゾロを救うためなので暴力で解決した感が否めないです。だって賭けに負けたんでしょってちょっとなる。
テゾーロのお金しか信用しない主義もその過去の経緯もストーリーとあまり絡まないためそそられはしなかった。
・スタンピード バレットの場合…海賊万博が開かれた裏で海賊万博の主催者とバレットは世界転覆計画を謀る。
あまりに凶悪で強大なバレットをさまざまな海賊、海軍、七武海…など立場の垣根を越え共闘し最終的にルフィが倒す。
→ゴールドと同じくルフィとバレットとは接点が無いため、ルフィの倒す動機が薄い。
またバレットも己の力しか信用しない実力主義者ではあるが、
それはルフィの仲間協力主義との対比で、あくまでルフィの引き立たせ役でしかなく、正直バレット自体の魅力はあまりないように思う。
それに比べゼット ゼファーの場合…
酸素に触れただけで爆発を起こすダイナ岩を火山に設置し大噴火を起こし、新世界もろとも破壊しようとする。
自身で設置したダイナ岩の爆発に巻き込まれたゼットをたまたま麦わらの一味が救出。
ゼファーも気を良くしていたが麦わらの一味が海賊だと分かるといきなり襲い出す。ゼファーの暴走を止めるべく麦わらの一味は動き出し最終的にルフィが倒す…のではなく、決着の後、ルフィを逃しゼファー自身は落とし前をつけ死に至る。
→まず前提としてゼファーは元々正義感が人一倍強い人間で海軍大将まで登りつめ、現在の三大将などからも先生として慕われていたような人間が、家族や自身の教え子を海賊に殺されるなどして激しく海賊を憎むようになる。
そして身内を殺した張本人の海賊が王下七武海(世界政府により海賊行為が許された海賊)に加盟する事により海軍組織自体を見限り海軍を脱退する。
そして自分の名を捨て「Z」として海賊を殲滅させるための組織を立ち上げ、海賊が縄張りを巡らせている「新世界」を破壊する計画を実行していく。
これの何が魅力的ってストーリーが過去の経緯や思想とみっちり絡んでる所ですね。
そして闇堕ちしてしまう同情を禁じ得ない事情や、海軍は海軍で元々先生であった人を捕らえないといけないというやるせなさもストーリーとして引き込まれます。
そして1番アツい部分はタイマンの最中ルフィの信念とゼファーの正義がぶつかり合う所ですね。
なぜ熱いって、ここはルフィじゃないと成立しないシーンだからです。
ルフィの掲げるまっすぐな信念をゼファーの腕に装填した武器を破壊する事で示し、最後に拳と拳で殴り合った後、お互い倒れながらゼファーが信念を認めた所も大好きなんですよね。
ほんとに映画で観れてよかったと思える作品の1つです。
こんだけ長く話して何が言いたいかって、じゃあレッドのウタはまずどういう思想を持ってるかなんですよね。
…完全に謎なんです。だからそこでは計りようもないんです。
分かると言えば、予告で発表された「新時代」という曲です。
彼女はロジャーによって始まった「大海賊時代」を終わらせ、歌によってみんなを幸せにして争いを終わらせる「新時代」を作ろうとしているのじゃないかと推測できます。
ウタの新時代の思想がどうストーリーと関わってくるのか、未知数だなと思えたが他三作品と比べれば面白そうだなと思えました。
迷ってた点④ 巨大化するのはやめて
戦闘描写で僕が嫌いなのは敵キャラが身体を巨大化させる事ですね。大概は負けフラグです。
そしてそれの何が嫌かと言えば映画=迫力あるシーン出せばええやろという発想での巨大化なんですよね。だからクライマックスで多いわけですが。
僕はね、映画館での魅力は「動」よりも「静」にあると思ってます。(またはそのメリハリ)
何でも付け足して…の足し算よりもどう削ぎ落として減らしていくかにあるのかなと…(素人並感)
映画館でのしーん…となるシーンって家でも図書館にいても味わえない本当の静けさを堪能できるんですよね。それがまあ好きなんですよ。
それとは真逆であるゴールドやスタンピードは最終巨大化しており、わちゃわちゃした「動」を中心とした映画だなと感じます。
(ダイナミックな方が好きな人もいるので完全に個人的な感想にはなります。)
ゼットでは武器を纏ったゼファーがルフィの信念により打ち砕いて最終的に拳と拳でぶつかり合う展開も余計なものを極力減らした僕好みの映画という訳です。
静けさというより、哀愁というかそういった部分も相まって好きですねー。
まあ、レッドでどうなるか…。音楽が多いので迫力重視だとは思いますが、いかに表現するかによって良くも悪くもなるかなとは思います。
迷ってた点⑤ Ado
僕、あんまりAdoが好きじゃなかったんですよね。
まあ某有名曲のあのガナリ声がそこまで好きではないというか…歌は上手いなとは思います。
まあ僕の好きなB'zでも歌上手いのは分かるけど声質が苦手やから好きになれないわ…って周りでいたりするんですがそれと全く同じ現象かと。
しかも7曲歌われる事が発表され、これはAdoによるウタ劇場になるなとは思いました。
あと、ウタのハツラツな見た目とじめっとしたAdoの歌い方がものすごくミスマッチしてるんじゃないかと思いました。もっと明るい声の方を選べよと…
いくら最新の流行りだからといってONE PIECEの主題歌…どころかストーリー軸のメインを務めるのはさすがに浅はかだし、荷を預けすぎじゃないかと、もはや映画自体への期待よりも不安が勝ってしまいました。
以上迷ってた5点を見つめ直した結果、僕はチキンなので周りの評価を待つ事にしました。
まず第一評価は非常に賛否両論があったという事です。
まあAdoの歌うウタの曲がメインになってくるのでそこにハマるかハマらないかは大きく評価を分けることでしょう。
しかし、それ以上に気になったのは異常過ぎるリピート率です。
ハマった人に関してはまたもう一回観たい!って言う感想が続出していました。
それは過去作ゴールドやスタンピードには(個人的には)無かった現象でした。少なからず面白いからもう一回観ようとなるのでしょう。
そして観ようと思った決め手になったのが、たまたま部活の練習にお邪魔しようと思ってたのが雨で無くなって時間が空いたからです。
(動機うすっ…と思った人、人生そんなもんです。)
ONE PIECE FILM REDを観た感想
まず…Adoが凄過ぎる。一回だけでもいい、映画館で観た方がいいです。特に食わず嫌いで躊躇っている僕みたいな人ほど。
ウタのライブから始まるのですが、映画館にいる我々もその観客のファンの1人になった気持ちになります。
迫力えぐい。繊細さもあって好き。音楽だけでも行って良かったと思えるくらいの満足感。そりゃ映画館でしか味わえないからリピートするよなって(以下略)
あと音楽とウタの心情やストーリーがものの見事にマッチしてるんですよね。もはやミュージカルを堪能しているかのようです。
また、なんで作者がAdoを選んだのかわかりました。
というか、適役が世界でAdoしかいないんじゃね?って思わせるほどしっくりはまっていました。
ストーリーに関してはあえては言わないようにします。
知らない状態と知った状態での見方が大きく変化するストーリーなので是非とも知らない状態で見て欲しいからです。
ただ1つだけ言えることは、ONE PIECE知らなくても十分に楽しめます。(友人談)
僕はONE PIECE知ってる人間なので当然楽しめたのですが、知らない人でも感動できるのはもはやアニメの映画では凄い事じゃないでしょうか。
ソースは少なくとも4人から聞いているので間違いないです。
そして僕は3回も観てるので間違いないです。
最後に…
ひねくれた人間🤪がONE PIECE FILM REDを観た結果…
純粋無垢なファンになりました☺️
※お知らせ
9/17(土)から当初300万人限定だった映画入場特典の40億巻がカバーイラストが変更され増刷され復活しました!!
裏設定などめちゃくちゃ密度の濃い情報が載っているので、ONE PIECEファンもそうでない方も今しかないチャンスなので是非休日に観てはいかがでしょうか。
以上、ひねくれ野郎のレポートでした。