花束みたいな恋をした【感想】

※映画「花束みたいな恋をした」のネタバレを含みますのでこれから観られる方は閲覧を控えて下さい。まあ、最後のシーンは言ってないので!8割はネタバレします。

※ソースは私の記憶ですのでもしかしたら事実と異なる可能性があります。っていうかあります。ご理解下さい。


こんにちは、くみこです。


桜が見事に咲いてもう若緑もちらほらと見えてきています。そんな季節に見た映画です。

タイトルは「花束みたいな恋をした」


この時点で既に別れを内包していて辛いですね。

花束は貰った時が最高に美しく後は散ってゆくのみです。

まさに出会った時が恋愛のピークでそこからずるずるとすれ違いが生じていくのでは…と想像できますね。


恋を「した」という過去形もまた既にこの関係が消滅していることを示唆しています。


映画を観る前からそんな映画をカップルで観るのか…!?と思いましたがそれ以外に魅力的なものもあまりなく、天気の子以来映画館に入っていなかったものですから久しぶりに観ることにしたのです。


予告を見ていたら菅田将暉の多さにビビりました。どこにもおるなぁー。

正統派のイケメンでは無いイメージですが男を含めた大衆を引き寄せる魅力のある男性ですね。


さて、本題に入りましょうか。公式のイントロダクションにはこのように書かれています。


東京・京王線明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った 山音やまねむぎ (菅田将暉)と 八谷はちやきぬ (有村架純)。


好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。


近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが…。


まばゆいほどの煌めきと、胸を締め付ける切なさに包まれた〈恋する月日のすべて〉を、唯一無二の言葉で紡ぐ忘れられない5年間。最高峰のスタッフとキャストが贈る、不滅のラブストーリー誕生! 


──これはきっと、私たちの物語。


※公式サイト「花束みたいな恋をした」より引用


まあ、これを噛み砕くとすれば趣味や価値観が似たお互い大学生の菅田将暉有村架純が偶然奇跡的な出逢いをし付き合った5年間をこの映画で描いている。といった次第であります。


物語は2020年、カフェでランチをとっている場面から始まります。菅田将暉有村架純にはそれぞれ違う彼女と彼氏がいて異なるテーブルで話しています。でも何かしっくりきてないような反応で相手しています。

菅田将暉有村架純の2人は奥に座っているイアホンを片方ずつにして同じ音楽を聴いているよくありがちなカップルを見て、「この人たちは音楽好きじゃない、音は左と右で異なった音が出てる、それを片方で聴くのはもはやそれは音楽ではない。作り手を侮辱している…」と感じ、注意をしようと2人は何と同時にテーブルから立ち上がったのです。

その時2人は目が合い無言で顔を見合わせた後注意するのをやめそのまま座り込み何事も無かったかのようにまたそれぞれのパートナーと会話を続け始めました。


このシーンを最後に2014年まで遡って場面が切り替わります。

(この時点で切ないですよね。映画が作成された時期を考えて2020年は「今」の視点だと取れます。もしこの2020年という表記が無ければ、このシチュエーションが恋のきっかけとすら思えてしまうほど2人の息が合っていました。

これから過去に遡るわけですが既にこの後別れてしまっているんだなというのがちらつくわけですよね。そんなストーリーを僕たちは見届けなければなりません。)


6年前…まずは有村架純がどういった人間であるかの紹介を自身でナレーションしながら入っていきます。

彼女は実家暮らしの大学生。小説を読むのが好きで映画を通して彼女の昔からの友達は出てこなかった事を考えれば1人でいる事が好きなのだろう。

良く言えば自分の考えというものをしっかり持っているし、悪く言えばそれ故に気の合う人と出会いにくいのだろう。


学生は友達とつるまなくても肩身狭くならない反面、自ら動き出さないと既存の友好関係が薄れるという二面性を秘めているものだ。


彼女の趣味はラーメン巡りで、ネットの書き込みによる独自レビューを更新しておりそこそこ人気もある。その時も基本1人である。


一方で小説のような恋愛展開を求めているが久しぶりに会った男性に無下な扱いをされたり大学の同期(?)に誘われたカラオケ屋のような立食パーティーで年収は高そうであるが着飾ったヤクザみたいな人の自慢話やありきたりな自己啓発系の説教をされたりなど彼女には到底つまらないものだった。

母親からのトイレットペーパー2つ買ってというLINEでもう終電の時間になっている事に気付く…



そして、場面が切り替わり今度は菅田将暉の紹介がこれまた菅田将暉自身のナレーションで始まっていく。

駅前で日給バイトをしてるシーン…なぜじゃんけんで紙であるパー🖐が石のグー✊に勝てるのか、そのようにこの世界は不条理で出来ていると考えながら働いていた。

彼もまた大学生で新潟から上京しボロアパートに1人暮らしをしていた。

有村架純と比べて明るいキャラではあるため人とそこそこ仲良くできるタイプではあったものの

本を読むこと、そして絵を描くという1人で籠る趣味を持っていたため大学での心を許せる友人といった存在はおらず彼もまた1人で行動していた。

絵は無駄のないおしゃれな人が描くようなタッチでシンプルに上手いなぁと感心させられた。

彼の一番嬉しかった出来事はGoogle earthに自分の姿が載っていたという事らしい。

大学の広い講堂でみんなに自慢していて一時期人気者になっていた。それ以上の興奮が今後も訪れるのかと彼は静かな自宅でふけっていた。


彼は大学のマドンナ的存在の子にもそのGoogle earthに載っている写真を見せた。良くも悪くもない反応だったものの今度その子を含めた団体でカラオケに誘われた。

楽しみにしながら遅れてやってきたもののそこにマドンナはいなかった。

月の調子が悪いから休んだ…そんなスピリチュアルな理由らしい。とはいえ菅田将暉はその子が目的だったので露骨に落ち込んでいた。気付けば終電の時間になっていた…。


有村架純はトイレットペーパーを両手にぶら下げながら、一方で菅田将暉は手ぶらで走りながら、同じ駅を目指していた。

有村架純は改札前でトイレットペーパーを落とし菅田将暉がそれを丁寧に拾い上げた。

他人行儀のありがとうございますを有村架純が言った後先にホームへと行く。菅田将暉は定期にお金が入っておらずホームに入れなかった。結局急いでいた有村架純も終電に間に合わなかった。

同じく終電に間に合わなかったワンナイトを匂わせるような30代くらいの男性と少し年下の女性が菅田将暉に声をかけこのへんで空いてる店を尋ねた。

結局その1組と菅田将暉有村架純の4人で店で飲んでいた。

男はタバコをくわえながら女性が映画好きなんだよねと言うと男はカッコつけてマウントを取り始めた。女性は魔女の宅急便…の実写を観たと言い2人が心の中で実写かい…と同時に突っ込んだ。だから何でもかんでも実写にする風潮が消えないのかと嘆いていた。(ってなかなかこの映画切り込んでるな…笑)


するとテーブルの奥に酔っ払った映画の巨匠が座っていた。菅田将暉有村架純は目を丸くしていたが女はもちろん、マウント取っていた男も驚いている菅田将暉を見て何?ここの常連客?と知らない様子なのを見てまたも心で嘆いていた。

店を出て菅田将暉は帰ろうとしたが有村架純が…あのおじさんって、〇〇ですよね!と声をかけ、菅田将暉が驚いてえ?知ってたの!?とそれをきっかけに話が盛り上がりついに2人で別の店で飲むことになった。

話をしていくと嘘みたいに本の好みや価値観が一緒で話せば話すほど会話が弾んだ。

ただ菅田将暉のガスタンクの写真を撮って丸々3時間くらいの映画にしたという話はさすがの僕も共感できなかった。有村架純は見てみたいですと返していたが本心はどうだったのだろう。


話も佳境になったところで

この前お笑いのライブ見れなかったんだよねと有村架純が悲しげに出したチケットをたまたま菅田将暉も持っていて俺も忘れててさ…とチケットを取り出し2人は面白おかしく笑い合っていた。


そこで有村架純はもしかしたらライブでもっと早く出会えてたかもしれませんね。とつぶやくと菅田将暉は、でももしそうだったらここまで仲良くなれてなかったでしょうねと繋げると


このチケットは…今出会うためのチケットだったのかも…しれないですね。とさらりキザな言葉を口にした。有村架純はそうかも…しれないですねと笑顔で頷いた。


非常に良い雰囲気だったのにも関わらず後から入ってきた客はなんとイケイケの男子とイケイケの女子の中になんと菅田将暉が好きだったマドンナの姿があった。

その女は菅田将暉にえ、なんでここにいるの!?え、一緒に飲まない??と普段なら嬉しいはずなのになんてタイミングの悪いことだろう、それ以上に菅田将暉はえ?月の調子が悪いんじゃ…と問いかけるとその女はあんなの嘘に決まってんじゃん!気が乗らなかっただけとあざ笑うかのような軽い笑みで菅田将暉はすっかりマドンナと線を引いていた。

とはいえ、最悪のタイミングで有村架純の電話が鳴り出しなし崩し的に菅田将暉はイケイケグループに引き込まれてしまうのだった。


すると突然冷めた顔で友達がいてよかったじゃん、と有村架純は友達の家に泊まることになったから帰るとそそくさと片付け始め店を出たのだった。


どうする菅田将暉!?しかし答えは分かりきっていた。

そんな嘘バレバレだよ、ほんとは泊まるとこなんて無いんでしょ、ほら、トイレットペーパー持つよ…と菅田将暉は帰っていく有村架純を離すまいと追いかけていたのだった。


すると有村架純は…カラオケっぽいカラオケ屋に行きたいです、と今日の立食パーティーの伏線を回収し2人歌い交わした。

その後菅田将暉の家まで歩いて会話し、途中で雨に振られ急いで彼の家であるボロアパートに2人駆け込んだのである。

部屋の中には本棚にはぎっしり詰まった古本屋で購入しているという本が…。それは有村架純の本棚のラインナップと本当にそっくりだった。

私の本棚みたいですね。と目を輝かせた。


こたつに座るとスケッチブックが置いてあった。思わず彼女は手を取り見てみると彼の日常を切り取った上手い絵が1ページ1ページ描かれてあった。

パラパラめくって夢中に見ている彼女。彼女の雨に濡れた髪が気になった彼はドライヤーで思わず彼女の髪をときながら乾かした。

菅田将暉は恥ずかしそうにまあ趣味というにはおこがましいですけど…と照れていると

私はこの絵、好きですよ。と言い返した。


それが菅田将暉にとって自分の存在を肯定してくれたその一言が恋のきっかけと言うにはあまりにも大きすぎた。

何度もその一言がフラッシュバックを起こしていた。

有村架純もまた優しくて価値観も似て謎な部分が多い彼にとても魅力を感じていた。


…この瞬間、2人は恋をしたのである。


この後飲みの時話していた菅田将暉のガスタンク映画を2人で見ることになった。が。1時間もしないうちに彼女は寝てしまった。(まあ…でしょうね笑)

朝、彼は彼女をバス停まで見送った。菅田将暉はガスタンク映画見せたのはよくなかったかなと少し落ち込んでいたが、最後に彼女はミイラ展…行きませんか!?と閉まりかけのバスでそう口にした。

2人とも夢中だったからか…分かれた後トイレットペーパーを1つ持ちっぱということに彼は気付いた。トイレットペーパーを抱きながら…また会えるかと思いにやけていた。

彼女は家に帰って母親に朝まで何してたの!?と問い詰められるも無視をしそのまま2階へ駆け上がりベッドへ駆け込んだ。

今は…何も考えたくないんだよ…余韻を楽しみたいんだよ という彼女の顔も幸せそうだった。


(…いや、俺の文長すぎ!!要約出来ない子かよ笑

しかも本題はここからなのに…!!

かっとばせない理由はちょっとした話の粒が後から比較になったり伏線の回収になったりするからである。何気なく歩いている道、電車、どのような気持ちであるか…本当はもっと書きたいくらいなのである。

まあいいや、映画のストーリーに戻ります。)


次のカットには彼女がギリギリに伝えられたミイラ展に2人でデートし、その後も何度かデートを重ねたが、「付き合って下さい」の一言がつっかえていた。

2人とも両想いであることは明白だった分視聴者側も早く言ってしまえよと焦らされる心が募る。

デート帰りに近くのファミレスでごはんを食べた。お互いここで告白しようと決めていた。タイムリミットをやたら気にしては恥ずかしくなって核心の部分から本の話へと話が逸れてしまったりした。

ラストオーダー前に歌手デビューを果たしたという店員のお姉さんから曲を勧められる。

良い流れだと思い2人は1つのスマホに片方のイアホンずつ聴こうとする。あとは告白するのみ…


その矢先、隣のテーブルに座っていた1人の男に「君たち!音楽…好きじゃ無いでしょ」と話しかけられる。

あのね、左と右から流れる音が違うわけ、片方ずつで聴いてちゃそれはもう音楽じゃないわけ」と30分ほど説教を食らうのである。

(勘の良い方は気付くと思うがこれは最初のシーンと話が被るわけである。

僕は思ったより早く回収されたなと思ったがどうやらそのおじさんの受け売りであった事が分かる。)

せっかくの告白タイミングが…2人とも落ち込んだ。

おじさんが帰られて店の中は2人だけになった。静かなテーブルに頼んでいないはずのパフェが置かれる。あの、頼んでないですけど、と彼女が言うも店員さんが、あ、間違えました、すいません、と謝ろうとした時に菅田将暉はあ、じゃこのパフェ貰ってもいいですか?と訊ね店員さんが助かります〜と再び謝った後去っていった。

綺麗なパフェだねと有村架純がパフェを撮ろうとした時彼も写真を撮ろうとしながら好きです、付き合って下さい。と彼女にフォーカスを当てながら告白した。答えはもちろんYESだった。


その帰り、赤信号を待ってる時手を握りそっとキスをした。

「こういうことは頻繁にしていきたいタイプです。」

言ったのは有村架純だ。もう一度キスをした。


恋の始まりってものはいつでもキュンキュンとするもんですね。これがいつまでも続けばいいんですけどねー。


全てが順調だった。彼の家に泊まり続けたこともあった。


そんな絶頂の中、2人は就活のシーズンとなった。有村架純はスーツを纏い就活をしたが菅田将暉はしなかった。

俺は就職しない。夢のために頑張るよ、と趣味である絵を仕事にしようとした。彼女は彼の絵が好きなので喜んだ。


しかし、彼女は圧迫面接の連続で精神が崩壊しかけた。彼女から電話がかかり大丈夫だよというその言葉は全然大丈夫では無かった。

彼は家着のまま慌てて飛び出し数駅離れた駅の改札前で泣いている彼女を見つけるとそのまま抱きしめた。こんな格好で来てくれたの…?と戸惑いつつも少しでも安らぎと肯定してくれる存在が欲しかった彼女には彼が来てくれた事が何より嬉しかった。


彼の家に戻ると、彼はもうこんな苦しい思いするならやめよ、悲しむ君を見たくない。と訴えるも彼女の両親は…公務員だっけ?弁護士だっけ?忘れてしまったがとにかくお固い家系でお固い思想をしている。

彼が社会人にならないことを不満に思っており、それならばお前(有村架純)が働けと言われていたのだった。


そう言った事情もあり、もう実家に帰りたくないんだよね…と口にする。

少し考えた後、そんな人の話を聞くんじゃない、多分ソイツらに僕たちが読んでいる本を読んでも響かないよ

そうだ…!嫌なら…同棲すればいいんだよ!家借りてそこで一緒に住もう!


彼女は一瞬唖然としたが彼の真剣な眼差しを見て大きく頷いた。それと同時に彼女は就活をするのをやめた。

ここまでは冬に付き合ってから約1年ほど経った話である…。


同棲する部屋はあっという間に決まった。

河原が見えるバルコニーで辺り一面を見渡せる景色に2人とも一目惚れをし借りる事になった。

最寄り駅から30分離れてるがその30分がお互い話を咲かすのにはちょうど良い時間だった。


結局有村架純はアイス屋さんでアルバイトをし、菅田将暉は絵を仕事として新しい生活を始めていった。家賃でギリギリなため以前の暮らしよりも質素になっていった。


でも、お互い一緒にいられる事が何より楽しかった。


そよ風が優しい朝のバルコニーで2人幸せに耽っていた。こんな日々いつまで続くかな…?

俺の目標は…現状維持です!菅田将暉は高らかに口にした。


しかし、少しずつ、ほんの少しずつ、ほころび始めていくのである…。


ここが大体この恋愛のピークといったあたりですかね。それを物語るのは何よりこの菅田将暉の「現状維持」という発言。人は絶えず変わってゆく生き物である。恋愛はすれ違いの連続でそのすれ違いがきっかけで簡単に壊れてゆく。


彼女はいつでもいてくれるもの、と当たり前に感じていた。既に保守に動いており、うまくいかなかい場合に対する危機感が彼には無かった。


しかし、有村架純の方はこれがピークなのではないかとこの幸せな日々が失うのが怖いとすら思っていた。これが俗に言う温度差というものだろう。


流れが変わっていったのは2016年夏、同棲から約半年、付き合って2年弱の事である。


菅田将暉は仕事が上手いようにいってなかった。数時間かけて描いた絵も1フレーム3000円でしか取引されない。それどころかクライアントに3フレームで3000円にしてくれないかと頼まれる始末である。LINEでポッとそのメッセージを見た彼は結局お金が足りないのは事実なので渋々受け入れることになる。

イライラする事もあったが有村架純を見ると落ち着けた。


彼女はうちの両親がこっちに来ると慌てた顔で覗いた。もしかしたら説教になるかも…。


その予想は見事に当たり、菅田将暉が社会人にならない事に対しまるで面接みたいに両親が詰め掛けた。

社会はお風呂と一緒よ!入る前はめんどくさいと思うけど浸かってみれば良かったと思えるのよ!そのフレーズが気に入ったのか彼女の母親はそのようの類の発言をし唆した。

菅田将暉は笑ってごまかしていたけど父親からは結婚を考えるなら安定した職に就けと言われ去っていった。

また、菅田将暉の父親も新潟からやってきて、新潟に戻るもんだと思っていた。うちの花火を継がないのか!?と説教を食らっていた。

俺には他にやりたい事がある!とスケッチブックを見せたが父親には響かず、花火を継ぐ気は無いんだな…じゃあ、毎月5万の仕送りは止めさせてもらう。と生命線の一つが途切れてしまう。


(って、仕送りしてもらって生きてたんかい、同棲と聞いて流石に経済的には自立してると思った…甘々やないか、)


より貧しさに拍車がかかり、ついには3フレーム3000円がもはや当たり前になっていた。

そして明日までに描いて欲しい!3フレーム3000円で!と無理難題な要望に流石に憤りが募り値段交渉をするも、じゃ、いらすとやで代用します。お疲れさまでした とポッと送られてきた。


その瞬間、彼は夢を追い続ける気持ちが折れた。


(夢…難しいですよね。純粋に追い続けられて成功するのはほんの一部なのです。僕は才能もやりたい事も特別なかったですので社会の歯車で生きるのが賢明な判断だったかなと愚かな決断をしています。

小さい頃から施工管理になりたいとかいう人間なんていないようにやはり現場は現実的な人間が多いですね。でも一般的な幸せを手にしている人は多い印象です。僕はどうなるのでしょう…

ある種夢と現実と抗う菅田将暉にはどこか少し羨ましさがありつつも、そうはうまくいかないんだよと諭す自分もいたりしました。

個人的には仕送りしてもらってる時点で心持ちの問題からダメだと思っています。現状維持(満足)とがむしゃらは相反するものだからです。)


彼は「楽しく生きるのにはある程度のお金は必要である」と感じ、就職活動することを彼女に打ち明けます。

このままずっと楽しい生活を続けようよ、もしかして私の両親にそそのかれたの?と反論する彼女。

彼女は彼の絵が好きだった。そして夢を追う彼を見守るのが好きだったから非合理ではあったが止めたのだろう。

しかし、仕送りを止められ収入源もない現実を見ればジリ貧なことは目に見えていた。

多少いざこざはあったものの、菅田将暉も絵も描く時間が出来るような仕事に就くよと説明し、有村架純もじゃ私も就活する!という形で落ち着いた。


付き合って2年…年も明け2017年冬に2人は就職活動に明け暮れる。

深夜までESを書き、来る日も来る日も面接へと出向いた。

先に内定が決まったのは有村架純の方だった。診療所の受付だったけな?それでも約半年はかかった。菅田将暉の方はというと、ついには年を越してしまった。

むずがゆい気持ちがあった反面、彼女がいたから頑張れたように思える。


そしてついに…2018年、春の訪れる前にようやく彼も内定が決まった。

物流会社の営業系だったように思える。パンフレットを指差しながらここなら夜も早く帰れるし、趣味の絵もやりながら出来るよ!(僕には盛大すぎるフラグに思えた)


そして2人はそれぞれの場所で働く事になった。まあ、想定通り彼は定時で帰れるはずもなかった。

遅くなりながらも彼女は必ず駅まで向かいに行って帰路の30分喋りながら歩いた。

そんな中、仕事に追われながらも人付き合いの上手い彼は優秀だった事もあり責任のある仕事が楽しいと思えてきた。

気付けば絵を描く事をやめ、スケッチブックは棚の奥で埃をかぶっていた。

気付けばトーク力向上などの自己啓発本を手にするようになり、仕事にどっぷり浸かっていった…。

それもまた、彼女とずっと一緒に暮らすため…。


彼女が新しい本を紹介しようと彼の部屋に入ろうとすると、彼はごめん、土曜日出張で映画に行けないわと仕方ないとあまり悪気なく発した。

それが彼女には気に食わなかったのか、うん、全然いいよと感情なく返した。

それが彼に引っかかり、今全然良くない言い方してたよね?と問い返した。


…別に、そんなんじゃないし、仕事なんでしょ?

…そうだけど、じゃあ映画行く?

…「じゃあ」って何よ。そんな気持ちで2人で行っても楽しくない。

…なんなんだよ…!

…文句があるなら言ってよ。

…じゃあ、言ってやるよ!その映画2回目だろ!?リメイクだがなんだか知らんけど

…じゃあ、いい、1人で観るよ


その後菅田将暉の電話が鳴り上司から今度の出張よろしくな!という内容にぜひぜひ!よろしくお願いします!という高らかな声が彼女はより一層気に食わなかった。

だがさすがにこのままじゃ気まずいので有村架純はこの本…面白かったから…読んでみてと手渡した。

ああ、と受け取った彼だったがデスクの上に雑に置いた。

一応出張の日、鞄には入れていったものの、書類を忘れそうになり鞄の中身を漁っているうちに本が邪魔だからと上司の車の中にこれまた雑に放り投げた。


(もう、この時点で取り返しが付かないくらいのすれ違いが生じている。


双方社会人とは言え、時間にゆとりがありいつまでも学生の時と同じ価値観で生きている有村架純と目まぐるしい生活により徐々に価値観が冷たいものに変わってく菅田将暉

価値観が似ている事が2人をつなげたキッカケであったので尚更そのすれ違いは大きな影響を与えた。


この構図は非常に残念ながらこのブログを書いている「僕」の状況にそっくりであった。

社会人になってからもう1年にもなる僕。大学で研究に勤しんでいる彼女。

彼女も忙しい…とはいえ、言動や価値観はやはり学生そのものである。


一方僕は学生の時の心の余裕はすり減りつつあった。


僕は要領が悪かった。ずっと覚えるのに必死だ。やり方を教わる時間もない。実践して怒られてそこで初めて足りない部分を認識して学んでいく。

いい人もいたが、文句だけ言う人やルールを守らない人、どうしようもない人などのさまざまな理不尽を受けては抗ったり諦めたりする日々。

しっかりやったとしても誰も褒めてくれない。やらなければ怒られる。それが社会だ。誰も助けてくれやしない。

そもそも褒められたいから、認められたいからみたいな承認欲求を求める事がそもそも間違っている。会社の利益、貢献のために責任をもって全うする事が社会人の役目である。


悩むヒマがあるなら動かないとなにも始まらない。正解はどこにも落ちていない。動きながら視野を広げ模索するものだからだ。

そうして不器用な僕は一日中気を張り詰めてしまうのでクタクタになる。

帰路は正直何も考えたくない。ご飯すら食べたくない。そんな気持ちである。自分のことすらどうでもいい。

彼女の悩みにも真摯に向き合う気力なんて残っていない。


だんだんと心が麻痺していって自分が変わってゆくことに気付かない、狭い世界の中ではそれが当たり前なのだから。

ただ彼女は僕の考えが変わっていっている事に気付いているのだ。

LINEのトークや会った時の反応や言動といったちょっとした事で。

僕は知っている。彼女は当時の僕が好きだということに。あの価値観がぴったりハマっていた頃の僕に。

そして僕もその時の僕が1番しっくりきていた。

だから彼女といる時とかはせめてあの頃の自分を忘れずに抗っている。

今は使い分けをしてなんとかしている。彼女がいるから忘れずにいるけど、いなかったらもうかつての僕はいなかったかもしれない…。


今の僕はとにかく冷淡だ。容赦なく切り捨てる事を覚えた。常に何かを気にしては余裕が無くなっている。

のうのうと生きている人間を許せなくなっている。


後のストーリーでも似たような描写が出てきては今の自分に刺さっていった…)


2人は明らかにすれ違っていた。彼女は受付の仕事が向いてないと感じていた。

その矢先、彼女は菅田将暉のかつてのサークル(アート系かな?)友達である女性からリアル脱出ゲームのような謎解きのレクリエーションを企画し運営する新しい会社を紹介された。

どうやらその女性とその会社の社長(オダギリジョー)に交友関係があるらしい。


(社長オダギリジョーとか胡散臭っ!と思ったが話がややこしくなるので先に話すが普通に真面目な会社で真面目な社長だった。)


彼女はもとより謎解きが好きだったので目を輝かせていた。すぐに転職しようと決心した。

そして女性は彼(菅田将暉)、就職して偉いと思うよ。応援してる。と残し去っていった。


菅田将暉は同じくサークルの友達の男性と会う。その人はアートでは飯を食っていけるかギリギリだが抗っていた。

世間というアートも分からん人間に認められないと生きていけない。ただのはみ出し者だ…。男性の発言に対し彼は気のせいか、少し冷たい目で見ていた。


その帰り、たまたま電車で遭遇した。満員電車で近づくことも出来ず絶妙な距離を開けたまま2人で揺られていた…。


いつの間にか冷めかかっていた関係、楽しかったはずの帰り道30分が沈黙になる。


帰った後彼女はレクリエーション会社に転職した事を伝える。すると菅田将暉はキョトンとした。

え?前の所が何か良くなかったの?

いや、というよりも今の会社に魅力を感じてーと彼女は書類を開きペチペチと手を当てながら、実はこういう事が好きだったんだよねぇーとぼそっと口にした。

その発言を聞き彼は少し苛立ちを感じていた。

(最初は胡散臭い所に騙されているからやめとけ的なニュアンスだと思ってた。)

「おい、仕事は遊びじゃないんだぞ」

「いやいやー、それもこの社長(オダギリジョー)はちゃんと理念を持っていて仕事は遊びのつもりで、遊びを仕事のつもりでっていう…」

「それは仕事じゃない…!!遊びだ!仕事を馬鹿にしてる!」

「…変わったよね?前のあなたならいいね!って言ってくれたよ?

なんというか…楽しくない。そんなに仕事が楽しいの?」

(彼女の発言はかなり核付いたものだった気がする。)


「楽しく一緒に過ごすためのお金を稼ぐために仕事をやってるんだよ!」

「今は楽しくない。」


「それは今だからだよ、ずっと楽しくいられるなんていつまで学生気分引きずってんだよ!」


(彼は彼女が変わらないままでいることが癪に触り、また彼女は彼が変わってしまった事を憂いていた。)


「ずっと楽しく生きたいと思って何が悪いの?あの時みたいに本を読んだり…」

彼は無言だった。彼は置かれていた彼女の変わらない本を眺めながら

いつか話した現実主義のような人間が僕たちが読んでいる本を読んでも響かないって言葉を思い出した。


彼女の本を手に取り

「もう、今の俺には響かないんだろうな」

と本を無造作に戻した。


彼女は彼の座っている場所にコーヒーを置いた。ありがとうと彼が言うと、彼はとんでもない事を口にした。


「あのさ、この際だから今のうちに結婚した方がいいと思うんだ。

もう一緒に暮らし始めて3年経つ訳だし、今はつらいかもしれないけど過ごしていくうちにきっとこの選択で正しかったと思う!俺は絹ちゃんの幸せのために必死に働いて生きてるんだ!…結婚しないか?」


(これは俺ですら、え?何言ってんだコイツ…となった。明らかに今を乗り切れていない人間が将来乗り越えられるのかと、ナメた話である。

彼の言い分も分かる。非常に合理的に考えれば…だが。

悲しくも彼の彼女に対する気持ちだけはずっと変わらないでいるのだ。稼いである程度お互い心身ゆとりができた時、真の幸せが待っている…と。


ただそれは暴論にも近い理想論である。彼女が寛容で無ければそもそも破綻する話だからだ。

彼は無意識のうちに理想の彼女像を押し付けていのだ。そこに、愛はあるのか?(大地真央ボイス)

そして、彼女はもう彼に愛想が尽きていたので待つなんて悠長な事はしようと思わなかった。

もう好きという感情が無く、よほどオダギリジョーを見ていた時の方が可愛い顔をしていた。違う男に目移りした時が完全に頃合いってものだろう。

しかし、長く同棲までしてしまった分、別れをなかなか切り出せず引きずったままの暮らしをしてしまっているのだ。


挙げ句の果てに彼はまだ勘違いをしている事が結婚を持ち出した事から確信へと変わった。まだ今の私の気持ちに気付いてないの??と。)


案の定、有村架純は困惑し、「え?それってプロポーズのつもり?」と少し苛立ちを抑えながら、「考えてもなかった。」とその場を濁した。


その後もどんどんも距離が離れていき、2人は同じ家にいるのにそれぞれ違う事をしていた。


2019年を迎え春が来て、菅田将暉は社会人2年目、有村架純は別会社へ転職となった。


彼女は実際新しいレクリエーションがオープンするという事で受付員として立ち会えた。同じ受付なのに満足感が見違えるように変わった。

オダギリジョーは報道のテレビ取材を受けており、周りのモデルのような女の子達に囲まれモテモテだった。有村架純も虜になっている事にこの会社に誘った女性も勘付いていたのか、「まあ、私たちには興味もないだろうねぇー」とにやりと呟いた。

オープン初日祝いということで打ち上げをし、気付けば二次会のバーでオダギリジョーに膝枕をされていた。

どうやら酔ってしまったのだろう。

するとオダギリジョーから「あ、やっと起きたね、困ったんだよー。ずっと君が僕に甘えてきてさー、すりすりしてたんだよー?覚えてる?」

と言われ、ようやく我に返った有村架純。あ、すみませんでしたと謝り、オダギリジョーに誘われたもののこの一歩を踏み出してしまってはもう戻れないと思い帰る事にした。

菅田将暉はそんな事つゆ知らずで彼女の変化にも何も気付いてなかった。


(無意識状態でオダギリジョーに目移りしてる時点でもうカップルとしてアウトなんじゃないかと思う。)


一方、菅田将暉の働く物流会社で1件のトラブルが発生する。

「まだ、荷物が届いてない!?」

会社は大騒ぎである。ドライバーの身元は特定出来ていない、そして所在も分からない。


その日は所在が分かるまで会社に居残ることとなった。そして深夜、一本の電話が届く。上司が青ざめた顔で

…やりやがった…。トラックごと海へ飛び込んだらしい、自殺だとよ…。勘弁して欲しいよ…!

と海から引き揚げられているシーンが映っていた。


菅田将暉がクソっ!!と口にし会社の損失を憂いた。

もう1人いた後輩らしき社員が羨ましいっすと口にして、聞き間違いかと思った菅田将暉は、は?と後輩に鋭い目で後輩に目を向けた。

「何もかも放り投げ出して逃げたくなる時ありますもんねー。」

「お前、それ本気で言ってんのか!?」

「ちょっと…なにムキになってるんですかー笑

はぁーだる、じゃー先に帰りますね〜はい、おつかれっすー」


彼は思わずブチギレそうになって物を当てようとするが寸止めの所で抑えた。

事務所の真っ暗な会議室で1人、寝転びながらパズドラをしていた。あっけなくやられる。GAMEOVER...幸せもまたこんな簡単に崩れてしまうのか…。


自分はやっぱり変わったんだなーと再確認させられた瞬間だった。

この時くらいからだろうか、もうお互い別れた方がいいんじゃないかと思い始めたのは。


もう無理してこの関係を続ける必要がないな、そして菅田将暉の友人が結婚式を挙げると招待状を貰った。2人はそれを心から喜び、ためらいなく出席することにした。そして、それと同時にこの日の夜、別れよう…と決心したのであった。

この後は想像にお任せしようかなと…(え?)


続きが気になる人がいると思いますが

・僕の触れたい部分が終わった

・このブログを書いてから2週間も経ってて記憶が更に曖昧になってる

・ってか文章長すぎ

・まあ、今後観たい人のために最後の展開はあえて言わない(という建前で)


ってな感じです。

まあ、ざっくり言うとこれまでのラブラブだったシーンが良い感じに別れ際の際に比較されてなかなか見るに耐えなかったりそれゆえに儚く美しく感じました。みんな感動でうるうるしてました。続きがどうしても気になる方は必見ですね。


そして最後は最初の2020年のシーンに戻るわけです。

2人同時に立ち上がって久しぶりに対面したがお互い違うパートナーを見つけていた。

そして、2組が同時に店を出るとお互いのパートナーには悟られないように背を向けながら手を振って去っていく…という大人な関係というか、

言葉にできない5年分の重みのある胸熱がたぎったような良い展開でした。


そして最後またお互いのナレーションで僕としてはほう、ここの部分の描写の伏線を最後の最後で回収していくのか!という綺麗な締めくくりで終わっていきます。


エンドロールは昔の思い出を菅田将暉が描いていたおしゃれ〜なタッチの絵の表現でムービーになっており、それもまた綺麗でオシャレで天気の子も良かったけどこの映画もそれに勝るくらい良かったなと思いました。

ただもう一回見たいとは思わないですね。刺さり過ぎて心が痛すぎます。


やはりすれ違いが生じはじめていく部分が今の自分達にマッチし過ぎて…きつい


菅田将暉有村架純そのものを好きになった。だけど有村架純菅田将暉と感性が合うから好きになった。だから有村架純は彼が変わっていくのが耐えられなかった。そして冷めていった。


菅田将暉は彼女も俺自身を好きでいてくれていると勘違いしていた。だから変わった自分を認めてくれると思ってたし、このすれ違う時期を通過点だと思ってた。しかしこの関係はもう終点であった。


僕もまた彼女自身を好きでいるが、彼女はどうやら感性の合う僕の事が好きであったようだ。

僕と菅田将暉が違うこととすれば変わっていく自分が僕は分かっていること、そしてその自分は仕事の時とプライベートで何とか分けれていること…だ。

が、だんだんと考え自体は全体的に仕事寄りになっているなと思い始めてきている。

この映画ではどちらかと言うと変わっていく事が否定的に描かれていたので変わって欲しくないと思う彼女の気持ちが痛いほど分かった。


僕側としてはもう少し変わらざるを得ない部分も描いて欲しかったなと思う。まあ、えっか、男は背負う立場なのだ。忍耐もまた仕事で学んだ事だろう??


あと、僕と彼女は感性こそ合ってるが価値観や性格などは結構違ったりする。

現にこの映画を観た時、彼女はストーリーに自己投影させて重ね合わせて感動していたが一方僕は映画の構図ばかり見ていた。どうやってこの恋物語を紡ぐか描写するか、それがあまりに良くて感動してた。

2人とも感動していたが感動した部分がそれぞれ違っていた。まあ、それはいいんだけど。


まさか、じゃんけんのくだりまでも伏線になってるのは感動した。

この長い文章で忘れてるかもしれないだろうが、最初の菅田将暉のナレーションはじゃんけんのくだりで紙であるパーが石のグーに勝てるわけない、このように世界は不条理だと語るシーンがある。後々に有村架純も同じ考え方をしていたことが分かる。だからそこでこのくだりは終わったものだと思っていた。


それが終盤あたりのシーンで2人じゃんけんするシーンがある。

そこでは有村架純がグーを出し、菅田将暉がパーを出して勝つ。彼は必要以上に喜んでいた。おとなげないなという目線で彼女は彼を見ていた。


そして、彼は喜びながらこう言ったのだ。「大人だからね。」

そう、喜び方はその大人のそれとは程遠いほど無邪気なものだった。しかし、前々からの伏線を辿ると結び付いたのだ。


彼の言う「大人」とはなんなのだろう。僕は不条理を受け入れることだと思った。

不条理を受け入れなかった彼女と環境の不条理に適応するため自分自身を変えていった彼、この対比がまさにじゃんけんのグーとパーとその言葉に込められていたのだろう。

そう言った裏メッセージのようなものがあちこちに散らばっていて僕は感動していたのだ。


それを彼女に言ってもキョトンとされるだけだろう。冷めた見方をしてるねと言われるかもしれない。

そう言ったズレは認識している。だから僕は彼女と分かり合えるとこだけ分かり合えたらいい。分かり合えない部分は他の分かり合える人と語ればいい。


人間と人間が100%合致する訳がない。時には受け入れたり受け流したり妥協したりしながら最善の関係を保つのが1番かなと思ったりしている。


この映画はマンネリカップルと行くと別れてしまうというジンクスがあるらしいが僕たちは映画を通じてそういったズレをお互い認識し可視化し、実際話し合えたのである意味助けられたかなと思っている。そう思っているのは自分だけかもしれないけど…。


そういったリアルに影響を与えたという意味でも意義のある映画でした。この映画に携わった全ての人々、及び彼女にはとても感謝をしています。


ご精読ありがとうございました!