とあるK氏の日常


…ぱっ?と目が覚めると5時である。もうアラームが無いと起きれない身体になっている。なんやかんやスムーズ機能で5時15分に起きて昨日出来なかったシャワーを浴びる。


朝はちくわかサラダチキンを食べる。調理を一切しないことで起きる時間を少しでも遅くしているのだ。野菜ジュースで喉と栄養をかき込み歯を磨き時間が余れば昨日出来なかった洗濯物を干したり昨日出来なかった皿洗いをする。夜はもうクタクタなのだ。それはこれから出勤の説明をするので察して欲しい。


6時過ぎに家を出て駅のコンビニでおにぎり2〜3個とコーヒーを買う。これはルーティンで毎回同じやつを購入する。

音楽はいつもB'zを聴く。ここのところはバラードが多い。ワイヤレスイヤホンは便利というかコードありのイヤホンの絡まりなどの不便さが解消され相対的に便利に感じるといったところか。思ったより安い印象なので買ったほうがお得だと思う。


電車の中は爆睡したりどうぶつの森したりTwitterしたり勉強したり、まあ気分によって変える。

事務所には僕が1番最初に着く。その時点で7:10である。パソコンを起動させ作業着に着替える。

7:40から始まる所員(同じ施工管理職の上司、先輩計5名)のみの朝礼までに8:00に始まる現場での全体朝礼の段取り…たとえば注意事項の書いた紙を印刷したり…などを済ます。

所員の朝礼では企業理念をまず唱和するところから始まる。先導はもちろん僕だ。いつも元気良く噛み噛みで頑張っている。

そして上司から作業内容と安全注意事項を確認し5分弱で終わる。


そこから事務所から現場まで自転車で移動する。職人の詰所になっているエントランスまでおよそ5分かかる。

朝礼の段取りはエレベーターの鍵を開けたりスピーカーを繋げたり安全注意事項の紙を配ったりなど僕1人で職人さんを捌きながらやるのでいつもギリギリなのである。

〇〇が出来てないやんけ、とか(出面を打ち出す)パソコンの調子が悪いとか一度手を止められるとかなりギリギリか間に合わないこともある。

間に合わないと上司から叱責をくらうがどうしようもない時もある。


全体朝礼は外で行う。寒いが一日中外なので特段何も思わない。

業者ごとによる出面(出席人数)の確認を行い、所員により注意事項の説明をする。当番が1週間ローテーションで今週は僕ではなかったので補足部分の説明をする。

ちなみに当番は朝礼の説明と職人さんが全員帰られた後の現場の電気消しと戸締りをする。最初は僕だけの担当だったが余りにも残業時間が問題となってローテーションとなったのだ。とはいえ帰る時間は遅いのだが…。


直近ではタンクトイレ(灯油を入れるようなタンクに小便器を取り付けた簡易トイレ)が満パンになって尿が溢れ出していたので満パンになる前に交換よろしくお願いします。という旨の説明やまあ、大体1日3つくらいの説明をする。

終わった後は女の先輩が蔑むような顔と声色でそんな説明じゃ誰も替えてくれないよ、まあいいけど…と吐き捨てるように言って去っていった。

まあ、そうだなと思いつつでも言うことで少しでも抑止力にはなるとは思うけどなぁって思いながらエントランスに戻る。


エントランスではマスターキーの貸し出しを行う。僕の現場の工事も終盤となりもう半分以上の部屋は仕上がりに近い状態で手直しの段階になっている。そのためこれ以上傷などつけないように手直し部分の部屋は鍵をかけている。それらはマスターキーなので1つの鍵でどこの部屋も入れる仕様となっており事務所に30個保管しておりそれらを業者にくばるために持って行き貸し出し返却を僕が担当している。

しかしそのマスターキーは1つでも紛失すると悪い人に手が渡ってしまうリスクがある。

紛失した場合、鍵を変え全てのドアを変えての処置を施さないといけないため莫大な損害賠償となる(一説には300万を超えるとか)

そのため厳重に管理しないといけないしこの貸し出しまで肌身離さず持っているのだ。


そして鍵の貸し出しでは長蛇の列となるため当然朝礼前に貸して欲しいとかいう人間も存在する。特例以外は認めていないがそういうやりとりでも時間が吸い取られるのでやっかいである。


それらをしながらこの現場ではじめてはたらく新規入場者の教育として僕が現場についての説明や書類の確認を行う。

書類内容がきちんとしているかしていないかや受ける態度などで業者の良し悪しというものが分かるものである。

そして紙での業者の出面表を1つずつ印鑑を押しチェックしていく。ピークでは40くらいあったが最近は20ほどで少し楽になった。

その紙は前日に作って印刷して事務所から現場に持って行かないといけない。


やる業務が少なければ昼礼で明日の出面さえ分かれば昼後に20分ほどかけ日中に持っていけるのだが、そんな時間が無い時、かつ戸締り電気消しの当番で無い時はその紙を「置く」だけで事務所から現場へ行かないといけない。置く5秒のために往復20分のロスしないといけないのである。

なぜそんな非合理的なことをやらないといけないのかと言うと女の先輩が当番の時に戸締りのついでにこの紙も置いてくれませんかとお願いした。

すると、これは一年生の仕事でしょ?わたしが一年生やったらやるけどなー?とキレた後どこか行ってしまった。

現場と事務所が近けりゃべつにやるんだけどなー…そう思いながらため息ついた。


そして昼礼の準備として明日の予定をマグネットボードに書き込み貼り付ける。工程表を見ながら確定事項を書いていき昼礼で細かな予定を新たに書き込むのだ。その段取りも僕の担当である。


昼礼は11:40からこれまた職長だけが集まって

明日の予定を発表していく。これもまた朝礼のようにスピーカーやボードの段取りを僕がやっていく。各業者の作業内容、明日の出面を耳で聞き取り書いていく。字が汚なかったり正しく聞き取れなかったりすると女の先輩から叱責されるのでビクビクしている。

僕は元々リスニングとマルチタスクが苦手なので聞きながら書きながら考えながらMCしながらは頭が混乱しミスが多くよく怒られる。

成長は段々としてきているがそれでも工事音でうるさかったり職長さんの声が小さかったりすると聞き取りづらい事もよくある。


足りなくなりそうな備品を発注する仕事もある。ゴミを入れる袋、軍手、養生シート、その縛る紐などの細かな物やトイレや洗面備品や冬の季節なら灯油も見ていく。暗くなれば照明を付けたり、足りなくなった灯油をシュポシュポと入れるのも僕の担当だ。たまに掃き掃除、拭き掃除も行う。一言で言えば雑用だ。

それが少しでも遅れるとどっから雷が落ちてくるか…たまに用意したのに怒られることもあってしょうもない理不尽が1番多いのはこの仕事だ。


最近の仕事は主に2つだ。中の仕事と外の仕事である。

メインは外の仕事である。終盤に差し替かり敷地全体の仕上げ工事に入り、たとえばアスファルト舗装や植栽や石を据えたりフェンスを取り付けたり…とルートを塞ぐような工事が日々目まぐるしく動いているので現場への安全ルートや、ゴミを出す位置、トイレの場所、朝礼の場所が転々と変わる。

そうした流れで変化していく度に備品を移動させ変更を周知させることである。主に肉体労働である。


もう1つはゴミ出しである。この時点では段ボール、産業廃棄物(木、プラスチック、石膏など)、コンクリートアスファルト、金属類、その他である。

それぞれ違う車で手配しないといけない。もちろん会社もそれぞれ異なる。

時間が被らないのは前提で入口が1箇所かつ一車線しか通れないという致命的な敷地なため、他の搬入と被ってもいけない。のに、ゴミは大量に出るという雁字搦めである。


つまり、ゴミが溜まると飛散しかねないので所員に注意されるし、ゴミを出す業者は適当に放るのでそれの後処理もしないといけないので僕もイライラする。そして車を入れたで入れたで他の搬入車両から邪魔だとバッシングを食い、その回収会社からも段取り悪いと言われる。またゴミの中にプラスチックゴミの中にタバコや金属類など入っていたりすると責任が僕にかかってしまう。一部の職人は注意してもしても結局僕のいない所で捨てているのだ。

元々朝礼が全体だったのが職長に縮小したことで末端にまで行き届いていないのも1つの原因である。


また段ボールの運転手はクセが強く、1つでも違った物が入ってると一切その後回収せずに帰ってしまう。ので、予めチェックする必要もある。

また、ルートが無い以上早くゴミを捨てるために僕も率先して捨てなければならない。ゴミも相当重いのでなかなかハードである。ほかに仕事がある時は時間が拘束されるのでなかなか厄介である。とはいえ、手配しこちらに来るまでは色々考えないといけないが運んでる間はあまり脳を使わないので脳の休息時間とも言える。


…ゴミを捨てる位置もそのルートも結構な頻度で変わるので変わる度、色々と言われるが工事が進んで使える敷地が狭い以上仕方の無いことなのである。


と、まあ文で説明したところであんまり伝わらないかもしれないが、前々からの段取り、その場での咄嗟の判断力、運搬する肉体労働、それは寒かろうが雨が降ろうが風が吹いてゴミが散らばる中であろうが関係ない。そんな地味な作業をこの敷地条件のせいでメインとして動かないといけないのが何とも言えないことだ。


ツラさの代償でもありモチベの根源であるやりがいが全くない。まあ一年目というのはこういう下積みを繰り返して強くなっていくものだろうと言い聞かせ今日も今日とて取りかかっていくのである。


もう一つは部屋の中の指摘事項しっかり手直しされているかチェックすることだ。

形式を説明すれば最終的に事業主が検査し、手直しを受け再検査で全て直っており合格をもらえばOKだ。さすがに170以上ある部屋を一気に見れないので出来ている部屋からこの現場では5つに分割してそれぞれ検査されてゆく。

私の仕事はじゃあ、その事業主が検査して挙げられた指摘箇所を直されているか見るのかと言えば違う。

まあ、そもそも事業主の1回目の検査からめちゃくちゃ汚かったら問題である。そのため検査の前に検査をする業者を雇って検査してもらう俗に社内検査というものを実施する。

僕はその社内検査で挙げられた指摘箇所が是正されているかを見る仕事なのだ。


検査は傷がいってたりする所にマスキングテープを貼り番号を書く。

iPadでその場所と番号、指摘内容、手直し業者を記載していく。それを印刷したものを各業者に配り部屋の中に貼り出し手直しを始めていく。

そして事業主の検査より前に期限を決め、美装業者や先輩や僕がマスキングテープの貼っている箇所がきちんと手直しされているか1つ1つ見ていくのだ。


一部屋あたりその指摘箇所は60〜90あり10〜15分で見て回る必要がある。

要するに1つあたり6秒で手直しがされているか出来ていないか判断しないといけない、うまくいくかどうかは検査した人が親切な人かそうでないかで分かれてしまう。


まず不親切ポイントとして数字に対する指摘の数が1つとは限らない。

2つ3つならまだしも多数と表記されることもある。でもまだそれはかわいい方だ。

不親切な極みはマスキングテープに数字すら書かれていないということだ。

しかも大量に貼っており何が何を指摘したのかも全くわからない状態になっているのだ。

「しかも」その状態だと直す業者側もどこを直せばいいのか分からない状態なのでそのままにされていることが多い。手直し確認する側にはとんだ悪循環である。


これには社内検査をする業者の給与システムに深く影響がある。

それは「マスキングテープの個数」が多ければ多いほど給料が上がるシステムなのである。

つまりそこに「質」や内容までは含まれていないのである。

手直しする業者やそれを確認する我々に優しい人ならばマスキングテープに数字を書いて指摘内容も分かりやすく書いてくれている。


だが自分の給料の事しか考えていない人間がやった検査はまずとってつけたような指摘をしたり、とりあえずペタペタマスキングテープを貼り、もちろん数字も書かず指摘内容も抽象的でやっつけであるというのが一目見て分かる。

じゃあこの給与システムを変えたら?と思うかもしれないがたとえば部屋で一律にしてしまったら怠惰な人間だと極論検査の指摘を全く挙げないで終わらせるだろう。それなら指摘をたくさん挙げ事業主検査の時に少しでも指摘事項を減らす方が良い…ということになる。


また、問題なのは検査業者だけではない。手直しする業者もあの手この手で誤魔化しにかかる。

手直しが完了した場合、貼られたマスキングテープにチェックを付ける。僕はまずそのチェックされているのを見て、本当に出来ているのかを見ていく訳だ。

するとチェックはされているのに全然直されていない場合もある。いくら素早く回ってるからとはいえそこまで目が節穴ってわけでもない。

しかし、それならまだ出来ていない事が分かるからマシだ。

1番タチが悪いのは改竄だ。たとえばマスキングテープの位置を変える。要するに綺麗な所にマスキングテープを貼り替えあたかも手直ししたように見せる。

そしてもっと最悪な場合、マスキングテープを剥がしていたりわざと粘着力が落ちたかのように床に落として撹乱させるといったものだ。

とはいえ、まがいなりにも指摘事項と場所がある程度書かれているためどこが悪いのかくらいは分かる。ただそれを探す手間が増えるので百害あって一利もないのだ。彼らもいかに手を抜いてノルマを達成し給料を貰うことしか考えてない。部屋をより良い状態にしようという気が感じられない(人が多い)


つまり、自分のことしか考えてないようなクズな人間であるということを前提に僕たちは動かないといけないということだ


職人がもしサラリーマン化したら…多分工期は遅れ、質は落ち、人も減るだろう。


働き方改革…会社のため人のため…そんなのは綺麗事に過ぎない。それは人が綺麗であって初めて成り立つものなのだから。

綺麗事を成り立たせるには限界がある。それは単純明快で人間自体に既に限界があるからなのである。それから人間は目を背けようとしているのもまた理解が出来ないのである。そこまで人間という生き物は完璧なのか?僕には無駄な理性が邪魔しているような気がしてならない。

豊かになっているのはテクノロジーと環境だけで人間の心は一切変わってないのだ。

所詮下の立場を見下し己の欲求のみで理想だけキレイに騙って満たしているだけだ。


最近ではよく広告などで見かけるSDGsなどごまさしくその綺麗事の類である。

SDGs??笑わせる…僕は掲げる事自体を悪だとは思っていない。それを本気で達成出来ると思っているのかどうかという事だ。


人種差別、性差別1つですらまともに変わらない世の中というのに…そうした掲げる理想と現実のギャップが余りにも大きい気がしている。


話が脱線したので元に戻すとしよう。まあ、今の僕の仕事のメインはこんな感じで徒労と軽い絶望しか味わえないような何とも言えないものである。


昼休憩は12:00〜13:00まであるが昼礼後の片付け段取りや鍵の返却、貸し出しや自転車で事務所へ移動する時間も含めれば既に12:10である。

最近ではそれこそ「事業主」が検査のために居られる事が多い。それらのお味噌汁の準備をする。まあ、それは僕がやらない場合もある。

ただ食べた後の所員分や事業主分の皿やコップは僕が洗う担当となっている。そのため何やかんやで12:30にはなる。そこからちょこっと勉強して昼寝をする。

12:30には僕が事務所の電気を消しおやすみモードに入る。じゃないと多分夜まで持たないと思う…が、現場のゴミ出しの日は一足先に早く起き12時50分には現場にいるので食べて皿を洗ってそのまま向かう時もある。

またコンクリ工事はもう完了したがその時は一切昼休憩は無く大変だった。忙しい時ほど休憩が取れないという矛盾が生じてしまう。


しかも事業主は現場まで歩くには長い道のりのため自転車を使うのだが、まあ1番若い僕の自転車が真っ先に犠牲となるので歩いて往復するとなるとほんとに食べて皿だけ洗う休憩時間が無い時もある。食べれてるだけマシか。コンクリより。


シンプルにおにぎり2個は足りないのだが時間を取られる方がストレスなので結局バランスを考えてその個数にしている。

通常なら13時まで寝てそこから現場へ行ったり、ここで書類整理など行う。


だいぶ前にちょろっと説明した明日のための出面表の紙を印刷したり、昼に変更した点に対する対応(禁止看板など)を事務所で行えるものは先に行うようにしている。じゃなきゃ夜中にそれだけをするために現場へ行かないといけない事になる。

1時間もすれば大概終わるのでそこからは現場へ行き、先程説明したメインの作業や主に先輩の仕事の手伝いや業者から頼まれたことをやったりだとか、まあ基本的には雑用をすることになる。


17時には一応仕事は終わりという扱いにはなるのでぼちぼち職人さんは帰っていく。マスターキーの返却や返ってきてない業者に連絡したり電気をつけたりする。この時間が言わば1番休憩の時間かもしれない。


17:30には所員だけでの打ち合わせが事務所で行われるがその用紙を印刷し配るのが僕の役割なのでたとえどんな理由があろうと間に合わないと女の先輩に一言突き刺さされる。

先に間に合わない理由を言ったところで、じゃなんで30分までに終わらせられへんの?段取り悪いんちゃう?と吐き捨てる。


そう、ストレスの根幹に女の先輩がおおよそを占めているのだ。

正直最近はマシになった方なのでかなり心が楽にはなっている。


女の先輩は単純な性格なので機嫌の上下がものすごく分かりやすいのである。12月あたりは職人さんがあまりにもクソ過ぎてそのイライラが結局僕にぶつかってきたんだろうなと推察している。イライラを自分で昇華出来ない点も厄介である。あとそういう機嫌悪い時は挨拶なども普通に無視ってくる。怖い。


その上大の負けず嫌いであるのでたとえ自分が悪いと後から分かっても絶対に折れないし謝らない。なので理不尽に対してとやかく言うのは火に油もいいとこなのである。

(負けず嫌いなのに戦って結局職人さんが思い通りに動いてくれなかった事もイライラに繋がったんだろう)


良い所もあって真面目であるという点だ。違和感に気づく能力がとても高くその違和感が直ってなかったりすると気持ち悪い性格なのか、そういったことをまあ僕に押し付けてくる…のはいいけど始めから怒り口調な時もあってそれはシンプルに解せないところでもある。

嫌な所はキリがないほどあるんだけど今回はそういう回ではないので割愛する。


僕はどちらかと言うと理屈的な人間である。今までは理不尽な事に対して相手に分かりやすいように説得をするか、受け流すことが正解だと思っていた。

しかし理不尽な人間に理屈を押し付けたらどうなるかと言えば更にねじ曲げた暴論を唱え完全にねじ伏せようとする。

つまり、負けを認めたくないので怒鳴って相手を戦意喪失させるまで貫き通すのである。

こうなったら論理的には僕の勝ちだが目指すべきは円滑なコミュニケーションであるのでそれは僕の負けなのである。なので無視は論外だし、受け流すのも一見正解に見えるがこの先も付き合っていかなければならない関係の人ならば最善とは言えないのである。しかも受け流していることがバレて怒られたこともあった(マジ)


理不尽に対する正解は…なだめることだ。

どうやって…と言えばそれは人それぞれで手段は異なるだろう。

手っ取り早いのは悪くなくても「誠意を込めて」謝ること。次から注意されないようにこころがけます。と、相手の戦意を喪失させることがセオリーだろう。

たまに謝ってばっかだなとキレられることもあるがそれはもうどうしようもないので時に身を任すしかない…ですね。


まあ、打ち合わせというのが17:30が集合時間ではあるが大体段取り含めたら17:45になって終わるのが18時過ぎといったところであろうか。まあ、つまりこれより早くはまず帰れない…ですね。


そこからようやく、今日明日やるべき書類関係に手を伸ばすことができノルマまで行うとなると20時前にはなるだろう。

たとえば明日の作業内容や、今日の自分の作業を書いてノートにして提出、また職人全体で行う一斉清掃の割り振り、段取りや事業主に提出する資料を提出など様々である。

また、事業主が明日来るならふき掃除をしてヘルメットなどの備品を用意したりトイレ掃除などを行う。まあトイレ掃除は2日に1回か汚れてたら順次行ってる感じかな?


そこからようやく(2回目)後々に向けての書類に取りかかることができる。

最近ではコンクリートの書類を手につけてるわけだが、なにぶん初めてであるので先輩達はコンクリート工事した時と同時並行で書類を進めたりその書類に必要な情報を抜き取りメモしてたりしてたのだが、僕にはそんな事一切知らなかったので蓋を開けてみればまず情報を集めて整理するところから始めなければならずそれが思ったよりとんでもない時間を要した。


元々コンクリート担当だった男の先輩は、分かったやろ?これで工事の時に何が必要か?と笑いながら話していました。

その先輩はまず自分で痛みを知って学べタイプなので、まあ助けてはくれないですし教えてはくれません。ただ、そうじゃないと僕は学べない性格ですし、本当にわからない事に関してはテキトーではあるが教えてくれるので性には合っていました。


まあ、そんな感じなので手探り状態でやるのでかなり時間がかかって残業し放題となるのだ。

とはいえパソコンは強制的に21時でシャットダウンされる(所長の許可を貰えれば延長は出来るが僕にはその権利は無い)のでパソコン作業は21時で終わりなのでそれまでに印刷所をしたり、アナログで出来る事を後回しにしたりして更に残業をする訳である。


とはいえ、平均ではそのシャットダウン時間が切れ目で仕事を打ち切って上司達のゴミを集めゴミ出しをし、トイレ掃除をして着替えて帰るのでおよそ21時15分くらいが帰る時間となる。そこからバス、電車、歩きを経て家に着くのは22:30となる。

帰りは昔は爆睡かツイッターだったが、最近ではスマホを買い替え今までWi-Fi環境以外では4Gまで使えなかったのが128GまでオッケーになったのでYouTubeも「聞く」時もある。あとこのようにブログを書いている時もある。


最近は緊急事態宣言で飲食店が空いておらず自炊を強いられるので結果的にスーパーに行って帰るので22時40分帰りとなる。そこから夜ごはんを作って…とはいえ、カット野菜に肉を焼くだけってのがほとんどでオプションでギョーザが付いたりせんべいやチンのごはんを食べて炭水化物を摂っている。

ごはんを食べられる確率はおよそ80%、皿まで洗える確率は20%、風呂に入れる確率は20%、洗濯と洗濯干しは何やかんや週1か週2で毎日では無い分決めた日にはきちんと出来ている。

しかし、もうそれ以上の事は何にも出来ず自分の時間など一切作れないまま大概気絶するように寝てしまうのだ。

どれだけ早くても6時間の睡眠が最長なのだ。しかも最近はこれより遅い日が続いているので結果的に常時睡眠不足で頭が機能してないのでミスを連発し、怒られてストレスが溜まり疲労が溜まり…の悪いスパイラルにハマっている。

おまけに土曜(2回は休み)も祝日も出勤で休める土曜日は会社で勉強会(給料はつかない)で定時分拘束され、日曜日は資格の塾で丸一日潰れる。

しかも家の掃除や家事の借金はそういった出勤しない日で取り返さないと次の週に散らかり過ぎてとんでもないことになるので、結局自分の時間は存在しない。

今や自分の時間で何をしたいのかも思い浮かばないくらい頭が常に疲れている。

日常や娯楽など投げ打って会社に精神と身体を投資させ麻痺させながら生きてるいる感覚だ。このままでいいのか分からないけどそれは身体と精神(というより忍耐)が決める事だ。

って他人のような視線になっているのはもう僕の心はこの器(身体)から抜けているからに違いない。


僕が最終的に言いたいことはこのしんどさに対する対価が得られていない事と、その得られていない現状は自分のせいではないか?ということだ。


一つ目から話そう。

対価とはシンプルに残業代のことだ。別に僕はサボっているわけではない。確かに要領が良くないので時間がかかってるわけではあるがそれにしてもサービス残業が多すぎるのである。

それもそのはず働き方改革によって月に60時間以上残業してはいけないルールとなっているからだ。

定時は8時30分から17時である。そして僕が出勤時間は7時10分から21時10分としてその時点で残業時間は5時間半となる。それに20をかけても110時間…まあ、サービス残業を残業と同じくらいしていることになる。


パソコンのオンオフは会社で管理されているため申請する時に10分以上誤差があるとバレてしまう。ので「休憩申告」を出して60時間に調整している。

朝ですでに1時間20分のサービス残業として計算出来るので休憩申告を1時間、夜のパソコンを早めに切り上げるなどしてギリギリ60時間超えないようにしている。


最初僕はそれが嫌で73時間で提出した事があった。すると所長に呼ばれて「たとえばタバコ吸ってる間はそれは働いているとは言わんやろ?そんな感じで人から何か教わっている時は何も出来てないんやからそれは働いてないのと同じになる。そんな感じで動いてない時間を休憩時間として申告せんとどうにもならんのや」と忠告した。


所長が僕の残業で上層部に注意されたことを上司も注意し「まあ穿った考えにはなるけど残業が多いということはそれほど処理能力がないという判断をされるんや。ということは、責任が所長にふりかかる訳だ。そうならんように仕事も休憩申告も調整しろ」と半ば諦めたように言い放った。


それもそのはず僕もこうやって喘いでいるが仕事量で言えば全く大したことなくむしろ先輩や上司は21時を超えても全然働いてるし僕を助ける余裕なども全く無いのである。

そんな中で僕が助けを求めるのは甘えだし、そんな彼らも僕より働いているのに同じくサービス残業をして残業時間を60時間以内に留めているのだから僕もそれに従うのが得策というか、後ろめたさからそうせざるを得ないのだ。

この業界ではそうするしかない…上司の言葉は重いというより沈み返っていた。


お金としての対価もあるがやりがいや達成感といった対価も全然感じられず生きるだけでも精一杯である。

ひたすらゴミ出しと雑用。シンプルに人手が足りなくて僕がいなかっただけでも中々苦しくなる。

と考えれば、自分の存在価値自体はあるのでそれをやりがいにすればいいのではないかと思うがあくまでそれは相対的評価であり絶対的な成長を考えれば肉体と段取りをしてるだけで知識や技術を考えると何にも成長していないのである。

周りの同期(特に大学からの同期)の活躍や仕事内容を聞くと自分は何も得られていないことに焦りが生まれてきたのである。しかし本当に僕は何も得られていないのか。


僕がまだ能動的に働けていないからなのでは?と考えている。

よくよくこの文章を読み返してみれば

〜しなければならないとか

〜させられるとか受け身な表現が多いなと。

受け身でいるから楽しさも見出せないし、永遠にやらされていると感じながら働いてることになってるんだろうなと思い始めてきた。


やりがいだとか楽しさだとか思い返せば自分から動いて何かを得られた時なんですよね。それは分かっているんだけど…結局モチベが枯渇しきって自分から動くというエネルギーもほとんど残っていない。いつか僕が陸上部をしてあまり来ないやる気ないメンバーの事にイライラしてた時期もあったけど今は逆の立場になってることに気付いた。こういうことだったのか…。

今や人生という単位で受け身になってしまっている気がする。単純に疲れているからだろうか。それとも何かに絶望しているのか。


時間が無いからだとかしんどいからだとかやりたくないことをやらされていると感じているのは全て逃避や同情が欲しいだけの言い訳に過ぎない。

思えばツイッターでは愚痴しか吐いていない。いつからこんなやらされていると感じる自分になってしまったのか。余裕が無くなってのうのうと生きている人間にイライラすることも多くなった。

でも僕もそんな愚かな人間の立派な一員である。自分が馬鹿にしているような人間と同じくらい自分も馬鹿だなと思う。

結局僕も自分のことしか考えていない。不満をたらたら垂れ流して女の先輩とやっていることは一緒だ。いつから自分が偉い人間だと錯覚していたのか?


日常生活でもブログでも良い言葉が見つからず頭の回転が鈍くなって、プライベートで人と関わったりするのも最近しんどくなってきた。

趣味もなかなか出来なくて、新しいことをしたいとか言って、かといって忙しさを理由に何にもせず仕事を続けることしか出来なくて、でもその事には不満で愚痴愚痴言って…そんな粗探しをするような自分がすごい嫌いで…って悲劇ぶる自分がいるのも寒気がするし、そんな馬鹿な事考える時間があれば身体動かせよって思う自分もいるけどやっぱり甘えた位置に落ち着いてしまってたり…


僕のしたいことはなんだ…僕は芯の刺さるような出会いをしたい。自分は運が良いので結局こういう環境でも自分の価値観を震わすような出会いは出来た。

しかし、それはどの環境に身を置いたって正直誰かしらとは運命的な出会いは出来ていたと思う。

そしてこれだけは確実に言えることとしてこの人生を続けていてもこの社会ではロクな人間とは出会えないだろうと。それは日に日に感じている事である。


そして出来るならばやりがいを自分の偽りなく心の内側から溢れるような事をもっとやりたい。

その答えは分からない。今のような雑用はいわば種を撒いている準備期間なのかもしれない。努力無しでいきなりやりがいだけ求めるのは都合が良過ぎるって話だ。


僕は次の現場がそれのターニングポイントだと思っている。正直この現場では見出すことは出来ずに終わるだろう。

今出来ることは今を肯定する事と今を無駄にしない事、いつかはこの経験がどんな人生を送るかであれ活きてくると信じて今は…耐えるしかないんじゃないかと。


別に仕事が人生の全てという訳ではない。仕事の間のほんの隙間でも自分のやりたい事をやれて、プライベートをもっと充実させる未来に希望を膨らませて…そんな生き方を本当はしたい。


本当はもっと漫画を読みたいし、何なら漫画を作りたいしアナログはもちろんデジタル絵も上達させたい。

B'zをもっと深く学んでB'zの歌詞解釈を本気でしたい。

考察、解釈系のYouTuberをやってみたい。


今は〇〇したいでとどまってるけどいずれやる。少なくとも今発言したことは。


後は本当はもっとブログとか頻度上げてしょうもないことも書きたいし、作詞とかね、形になれればね、そのための色々な出会いを交わしたり…とかね。あ、またやってもないのに空想だけが先走ってるね。でも本当にやるつもりだ。


今の仕事を続けていたとしてもやる。

もし両立出来なかったら仕事を辞める選択肢を取るだろう。でも今は仕事を続ける…というか食らいつく方が大事なのでやりたいことはしばらく我慢する。


とあるK氏の日常という小さなトピックがここまで大きな話に発展してしまったけど割と常日頃そういう密かに滾った情熱を抱えてはいる。日常が圧縮されてしまった事で溢れ出したのかもしれない。

そういう意味では負荷のかかった今の社会人ライフは必要な道だったのかもしれないね。これもまた運命ってやつなのかな。


とりあえず…5時にアラームをかけるとするか。