2023年11月某日、全日本大学駅伝のボランティアに参加する事になった。
(ゴール地点 伊勢神宮にて)
第九章 ボランティアという名の道楽
弊社がスポンサーをしている事もあり、駅伝ボランティアを毎年募集しているのだ。
例年は無視をしていたが今回は違った。
会社の同期から一緒に行かないか?と誘われたのである。
彼は元施工管理の今はBIM関連の内勤をしており、たまに飲む仲でもある。しかし、僕を超える内弁慶なやつで会社にイベントに参加するようなキャラには見えなかったので誘われたのは意外だった。
ま、予定も空いてるしえっか!と軽い気持ちで応募したらなんと当選したのだ。倍率も高く落ちた人もいたらしい。
全然知識無い人間が受かってしまったけどええのか…。
って思ってたら同期の人もそれほど興味無いらしい。え、じゃ何で誘ったんや!?と聞き返すと、以前に別の駅伝ボランティアに参加した時に楽しかったから応募したとの事だった。
当日が近付くにつれボランティアの情報が開示されていった。
どうやら関西関東の部署からおよそ200名参加しており、
前日に名古屋のホテルイン、前夜祭としてホテルにて立食して当日の朝に1区スタート地点である熱田神宮にて「応援している感じの映像」を撮る。
スタートを間近で見送った後すぐに最終区ゴール地点の伊勢神宮までバスに乗り、伊勢神宮観光+豪華な昼食を取り、全選手のゴールを応援しながらこれまた間近で見届ける。
というボランティアとは何ぞや?みたいなスケジューリングだった。
すごい所は交通費+ホテル代ご飯代は全て支給されるので実質無料で特等席で選手を観られるという事だ。ただの金持ちの道楽である。
そりゃ同期も前の駅伝ボランティアが楽しいって誘ってくる訳だ。納得した。
一応、注目選手や出場大学などは目を通してホテルに向かった。
立食パーティーで気付いた事だが…20代がほとんどおらん!!
ほぼ内勤のおっさんとおばはん…完全にアウェイやないか。
知ってるのが同期の彼しかいなかったので、べったり一緒にいる事にした。彼もしっかり人見知りではあったが、彼の部署は数名くらい参加しているので僕よりかはアウェイ感は無かっただろう。
立食パーティー後はなんとその彼の部署らが主催する飲み会に誘われて参加する事になった。
そこで知った意外な事実は、駅伝が好きで参加してる人はほとんどいないという事だ。
彼らが好きなのは「イベントそのもの」であり、こうやって色んな部署を介して飲み会する事が目的だったのだ。
全然駅伝を知らない僕にとっては安心したし、会社の人達と交流できる良い機会になったのだ。
翌日…朝こそ早かったが、スタート地点にはまだスタート1時間以上も前だというのにチアリーダーや合奏団がこぞって応援しており盛り上がりを見せていた。
スタート30分前にカメラがやって来て集団で応援している感じの撮影が始まった。
僕は弊社ののぼりを一生懸命振っていた。前列は女性や背の低い男性や出しゃばりが集められていたので残念ながらカメラには映っていなかった。
その応援が終わればただの野次馬の如くスマホを横に向けて動画を撮る者がほとんどだった。
応援の裏側ってこんなゆるゆるなんやーって僕はぼぉーっと眺めていた。
スタートしたら選手が一斉に走り出し目の前を横切った。分かっていたけど全国レベルの猛者はもの凄く速かった。あの風を切る感覚を間近で感じられただけでも行った甲斐があったというもんだ。
そうして見送れば名古屋ー伊勢間のバスに乗る事になった。
第十章 マッチングアプリ≒パチンコ
バスに乗れば同期の彼が隣でずっとスマホを触っていた。どうやらマッチングアプリをしていたみたいだ。
彼はルックスもスタイルも良くおしゃれなのでまあ、モテる。スクロールしても追いきれないほどのいいねの数を僕は初めて見た。
それなのに彼は内弁慶な性格が悪さをしてるのか、誰にメッセージを送ればいいのか悩んでいたのだ。これこそ選択肢が多い故の弊害ではある。
僕にスマホを見せてきて「この人どう?」と映った画像の女性はどれも綺麗な人で、全ての返答に良いんじゃない?送っちゃえよ!と心の中では少し苛々しながら答えた。
なぜって、僕がマッチングアプリをやっても全然いいねが来ない…いいね来た人はまずは吟味する事なく1人1人メッセージをしてきたからだ。
僕はここ1年弱はマッチングアプリを辞めていた。結局上手くいかないし続かなかったし。
(これ以上詳しい話は別ブログ「マッチングのタイミング」にて)
なにせ、この多少の苛立ちが僕をもう一度マッチングアプリを始めさせたきっかけにもなり、後に運命を大きく動かした奇跡を起こしたのだ…。
パチンコ台で想像してみれは分かりやすいと思う。
筐体(実機)はいわばアプリそのものだ。色んな筐体があるように色んなアプリがある。恋愛を重視するか、結婚を重視するかなどで台を変えていくのだ。
そしてそもそもお金を入れなければ打たせてもくれない。パチンコもアプリも同じだ。
そして玉を打ったからといって全てがポケットに入る訳ではない。
玉をマッチングアプリに置き換えるといいね👍の数だろう。いいねを押せば相手に自分のプロフィールが載った通知が来る。そこで相手もいいね👍を押せばマッチング成立だがそうそう上手くいかない。
いいねが空振りになる事がほとんどで既読だけして終わる事もある。マッチングが成立したとしても1〜2回のメッセージのやり取りで終わってしまったり、話が合わない通じないなという事もある。
まさにパチンコ玉が釘に弾かれていくようだ。ポケットに入れるコツはあったとしても結局の所は運ゲーでしかない。
成功=試行回数×確率 つまり、確率を高めるか試行回数を増やすかのどっちかしか成功率を高める方法は無いのだ。
僕がマッチングアプリは運ゲーだというのはこの「確率を高める方」には限界があると思っているからだ。
趣味やアピールポイントを増やしてプロフィールを工夫するしかないからである。
後はもう相手に見てもらうにはとことん「試行回数を増やす」しか無いと思う。
数撃ちゃ当たる…というか、数を撃って当てる他無いなのである。ほとんどの玉は無駄打ちとなるだろう。その徒労さを分かって始めなければ続かない。
その中でメッセージも上手く進みデートにこじつければ、パチンコでいうポケットに入った事になり初めてルーレットが回る。
1回目、2回目のデートで数字が揃えばリーチになるし、ならない場合もある。3つ数字が揃えば当たりとなり付き合えるかもしれないが、当然すぐに別れる可能性もある。単発の当たりだけじゃまたすぐにお金が尽きて終わってしまうだろう。
欲しいのはお金がプラスになるような確変の大当たりである。
そんなもん、きっと319分の1くらいだろうよ。
第十一章 319分の1
僕は早速駅伝の日にマッチングアプリを再インストールした。
しかも伊勢神宮を観光するついでに良い感じの写真を撮ってもらいそれをアイコンにした。
課金は1ヶ月に制限し、その1ヶ月間はできる限りの努力を尽くした。
とは言え、たかだか1ヶ月では都合良くいい人に巡り会える訳ないのである。逆に悔いの無いように頑張れば恋愛を吹っ切れるかなと思ったからである。現に前のブログでは恋愛をほとんど諦めていた文章を書いていた。
パチンコで3000円と決めてやってるようなもんだ、玉の数も少ない。ほとんどがポケットに入らずルーレットすら回らない。もう数が尽きかけたその時、1発が入ってルーレットがスタートしたのだ。
7 III III → 7 III 7 リーチ!!ドゥルルルル…!!
2度目ユニバデート確定演出からの3度目美術館デート! まだ弱いッ…!人がたくさんいてタイミングが無いっフォンフォンフォン🚨…ん?演出が変わった?
2軒目の居酒屋、2人だけの空間…小さな円卓を囲みながら日本酒🍶舞台は整った…!
あとは野となれ山となれっ!失敗したらそれまでだ!!連打だ!!!!!ダダダダダダダ💥
どうだ?どうだ?
7 7 7 !!?大当たり!!!よっしゃああ!!
キュキュキュキュキュキュイン!!!キンキンキンキンキン!!!
(パチンコでたとえてすいません…あとパチンコほとんどやった事ないです。)
僕はそもそも恋愛向いてないんですよね。
機嫌に浮き沈みがある人が好きじゃなくて。いや、浮き沈みある事自体は良いんだけどそれを相手に気を遣わせてしまわせるような振る舞いをする人がキツくて。
でもはっきり言って男性と女性って特に生理の有無とか身体的特徴が明らかに違うじゃないですか。男性は女性の気持ちが分からないでしょって言われればそれまでだし。まあそうだよなと態度では頷きながらお前も男性の気持ち分かろうとしてないでしょ…って思っちゃうタイプなんですよね。僕は。
だから相手の機嫌に合わせるのが正直しんどいんすよ。僕だってしんどい時あるんです。
でも相手にそれを出しちゃマズいなと思って我慢してるんです。それかもっと不満を全面に出した方がいいんですか?まあ置いといて。
だから付き合うなら気分の上下があんまり無い心が安定した人が良いなと思ったんです。
でもそれと同時にその「心が安定している」というただ1点の条件がどれほど高望みであるかも理解してきました。だからあんまり恋愛に深入りするのはやめようかなと思ってきたのです。
でもその時、僕のその高望みに応えてくれる女性が現れたのです。
綺麗、スタイル良い、性格良い、心の安定したお姉さん、最強じゃないですか。
9歳年上なので言ってしまえば アラフォー、ギリギリ昭和生まれ、B'z結成年と同じ、ガッキー、吉高由里子、西野カナと同い年 と全てはものの言いような気もしますが、僕と並べば同い年に見えるくらい若いですね。そう書くと僕が老けてる可能性もありますね。
僕が甘える側になるのは初めてかもしれないですね。結構本音とか晒け出せる間柄になってます。
でも、年上のお姉さんに甘えるのではなく、年上のお姉さんが甘えるようになってからが本番なのです(?)すいません、訳分からん事喋りました。
要するに惚気てます。惚気過ぎて多少ウザがられようが嫌われようがどうでもいいくらいには舞い上がっています。
前の彼女が別に悪い訳でも無いんですよ、、めっちゃいい人ですし最近会いもしましたし。円満にそれぞれの人生を歩んでってます。しっくりくるなと思ってても別れちゃうくらい恋愛って難しいんですよねー。
今の彼女とはLINEの頻度が少なめのが良い!だったり、電話は苦手だからしない…!とかLINE以外のSNSは共有しないとか、服はユニクロで買う!とか他のグループで飲みやライブを頻繁にしてもいいとか、日本酒大好き!とか少年ジャンプ好き!とかしょうもないボケもするし拾う!とかイケおじ熟女好き!とか結構共通点多いんですよね。
特にありがたいのは僕の食物アレルギーには「お互いが好きな物を食べればいいし無理して一緒のご飯食べる必要ないよね」ってタイプなのでめちゃくちゃ助かってます。
相手が僕のアレルギー物質である卵を大好物としてるんですが毎回会うたびパクパク食べてます。良いですよね、お互い気を遣わなくていいので。
小さな共通点って大事かもしれないですね。特に電話したいタイプと嫌なタイプははっきり分かれる印象なので…。僕は絶対に嫌、過激派です。
結構喋ったんですけど、すごい奇跡なのが僕がたまたまこの1ヶ月マッチングアプリをしたのと、相手もまたたまたまマッチングアプリを再開した時期が一緒だったという事ですね。
こんな上手くいくことそうそう無いですよ。運を掴み取りました。いぇい。
まあでもそれほど魅力的な相手だと取られかねないので僕も魅力的な人間だと思われるように気を抜いてはいけないですね。
第十二章 残業出来ないという地獄
急に現実に引き戻されたような感覚だが、24年度を迎えるにあたって切っても切れない恐ろしい問題に差しかかっている。
それは、24年問題と呼ばれるいわゆる労働時間の見直しである。
ざっくり言えば今まで月残業60時間出来てたのが月平均30時間にまで減少するのだ。
しょうみな話、今でも月60時間すら無理である。毎日7時半出勤、19時退勤で残業60時間なのだ。
なので今でも40時間ほどサービス残業して何とか業務が成り立っている感じだ。
それが30時間?つまり70時間サービス残業になる訳だ。1時間2000円だとすると給料も60000円分、年に720000円減る事になる。
幸い、弊社は賃金アップがなされたのでそこまで減少する訳ではないが、プラマイで言えばマイナスにはなる。
また土日祝が完全に休みとなる。これは良い事じゃないか?と思われる人がいるかもしれないが建設業に関しては極めて苦しい事態である。
職人さんは日当だったり、進捗日数などで給料が貰えるので大抵の現場は土曜日稼働だったりするのでそのサイクルが遅れて給料が減るのである。
この現場も職人さんから猛反発を受けながらも土曜日休みにする事を余儀なくされたのである。
働き方改革とは何やねん、ただでさえ建設業の人材が不足してるのに更に首を絞めてどうすんねん、、まじで、知らんぞ。
じゃあ、何とかして残業を減らせないか?という問題に焦点を向けるが、まず無理である。
ひとえに現場をしっかり確認し指示しないとあらぬ方向に進む事なんてざらにある。それに膨大な書類資料や図面の承認など事務仕事も大量にある。日々打ち合わせしないと搬入の1つでさえ命取りとなる。
更に下っ端は色んな雑用業務があったり職人さんからも上司からも板挟みになる事もよくある話だ。言葉の罵声は毎日あるが暴力も時としてある。正直毎日心臓がキュッ…となってストレスと疲労でクタクタである、
簡単な話、今日の仕事、明日の仕事、1週間分の仕事、1ヶ月〜1年を見据えた仕事を同時に毎日行う必要がある。
また工程、コスト、品質、安全、環境全てを気にしなければならない。
別に安全面や品質を落としてもいいのなら、とっとと帰る事だって出来るだろう。しかしある程度の水準を求められるなら業務量的に不可能だ。
またクタクタの脳味噌イカれた状態で仕事をすると効率も悪いしミスを頻発し、結局残業しないと終われないし睡眠も取れないという悪循環に陥る。それでも残業して仕事がある程度終われるならマシだ。
問題は残業出来ない地獄というか、残業をしても全くお金にならないし、パソコンのオンオフで勤退が管理されているので残りは紙仕事しか出来ないという縛りもある。
そんなんでは仕事は終わらない、明日の借金が徐々に膨れ上がっていけばいつか破産する。
検査の時に書類が足りないとか、ミスに気付けずにそのまま放置して気付いた時にはもう手遅れ…とか。あー、思い出しただけで…
正直しんどさはかなりのしかかってる状況だ。今後の国の動きによっちゃ僕も黙ってないと思う。これ以上縛っても人が辞めていくだけだ。
みんな話を聞いてくれる人を雇ってるんだったら上手くいくんかもしれんけど全然そうじゃないからな…綺麗事で目を逸らしてきた現実の惨状を見てほしいものだ。溜まったツケの塊が結局この施工管理職などに圧迫していってるような気がする。苦しい。
そんな中4月がスタートし、とうとう社会人5年目である。さすがにもうのらりくらりとは生きていけない。仕事に対しても何か目標を定めて生きていかないとしんどくなってくる。
俺は何をしたいんだろう…ほんとにずっとこの職業を続けてやっていけるのだろうか。綺麗事で現実から目を逸らしてるのは僕の方なのか。
人生もまた運ゲーなのだとしたら、サイコロを振る準備だけはしといても良いのかもしれない。